【日本ダービー・友道調教師インタビュー】「ワグネリアンにとって、一番目標にしてきた舞台。勝ちたいよね」
◆第85回日本ダービー・G1(5月27日・芝2400メートル、東京競馬場)
―ワグネリアンでダービーに出走する友道厩舎は昨年の東京・芝2400メートルで調教師部門トップの4勝をマークしました。
「そういう数字は残ってると思うよ。自分自身が1800~2000メートル以上の競馬が好きだし、馬を集めるときもそういう血統の馬や体の馬を見つけてるからね。性格上、競馬のレースはじっくり見たい(笑い)。おそらく、京都や阪神でも2400メートルのレースでは成績が出ていると思う」
―中長距離で結果が出ている要因をどのように考えていますか。
「短距離馬のゲートセンスというのは人間みたいにダッシュだけの練習はできないし、天性のモノだと思う。中長距離は長め、長め(を乗ること)でスタミナの補強はできる。2歳時ならば、短距離の馬でも少し(適距離より)長い距離から使っていきたいよね」
―レースの当週以外でも、中間は栗東のCWコースで追い切ることが多い。
「うちの調教はもともと長距離仕様。厩舎によって、(得意な)距離は偏りが出ると思う。調教師としては(短距離と)両方の調教をする必要があるのかもしれないけど、現状の20頭ぐらいの枠(馬房数)のなかでは偏りは出るんじゃないかな」
―ワグネリアンの父ディープインパクト産駒も昨年の当舞台でトップの8勝を挙げています。
「東京というのは紛れが少ないコースで、強い馬が勝つ。それがディープということでしょう。自分自身も東京の方が紛れがなくていい。小回りの中山は一度ミスがあれば、なかなか挽回できない。東京なら能力でカバーできると思う」
―友道調教師にとって、マカヒキで勝った16年以来、2年ぶりの参戦になります。
「勝ったことでリラックスできている面はあって、それがいい方に向くんじゃないかと思う。ダービーは一生に一度、勝てるか分からないぐらいのレース。勝ってなかったら、これが最後のチャンスかなとすごくプレッシャーがあるかも。マカヒキの時もこんな馬にはこれから巡り会えるかなというのがあった。もちろん、よりダービーを勝ちたいという気持ちも湧いてはくるけどね」
―ワグネリアンは早い段階からダービーを大目標と公言してきました。
「そんなにムキになって行くような馬でもなかったし、新馬で2000メートルを使えるぐらい、折り合いに心配がなく、距離に問題のない馬だと思っていました。マカヒキは完成度の高い馬だったけど、ワグネリアンは課題もいっぱいあるが、まだまだ伸びしろも大きな馬。どうしてもエンジンのかかりが遅いから、中山ではどうかという気持ちを持っていたから」
―巻き返しを狙う本番が近づいてきました。
「勝ちたいよね。ワグネリアンにとっては一番目標にしてきた舞台。そして、何とかユーイチ(福永)にダービージョッキーになってもらいたいと思っています」(聞き手・山本 武志)