【東京ジャンプS】林騎手、アスターサムソンで有終V決める

スポーツ報知
引退レースの相棒となるアスターサムソンにまたがる林

◆20回東京ジャンプS・J・G3(23日・障3110メートル、東京競馬場)

 有終Vへ準備は万端だ。林満明騎手(51)=栗東・フリー=が、史上初の障害通算2000戦目となる東京ジャンプS・J・G3(23日、東京)のアスターサムソンで現役ラスト騎乗を迎える。デビュー33年目の大ベテランは、2連勝中のパートナーに懸ける思いや、ムチを置く決断に至った経緯、これまでの思い出などを語った。

 最後の鞍が間近に迫っても、朗らかな表情は変わらない。コンビを組むアスターサムソンはオープン→G2を連勝中。今週も精力的に調教をつけ「具合がよさそう。レース前にテンションが高くなるのに気をつけたい」と静かに闘志を燃やした。

 「レースに乗るのが怖くなった。今もあおむけに寝られない」。一昨年2月、レース中の落馬で第5胸椎圧迫骨折などの重傷を負い、2か月半の戦線離脱を余儀なくされた。「そんな気持ちで乗り続けるのはファンに申し訳ない。区切りでやめようと決めた」

 一番の思い出は「喜びも悔しさも教えてくれた」と、15年のJRA賞最優秀障害馬に選出されたアップトゥデイトとの出合いを挙げた。昨年の中山大障害で繰り広げたオジュウチョウサンとの激闘は記憶に新しい。「オジュウもアップがいたから強くなった。一緒に障害を盛り上げられた」と胸を張った。

 「(人馬とも)まずは無事に終われたら。いつも通りしっかり乗りたい」。栗東所属最年長ジョッキーの最後の雄姿は見逃せない。(吉村 達)

 ◆林 満明(はやし・みつあき)1966年10月31日生まれ。滋賀県出身。86年に栗東・吉田三郎厩舎所属でデビュー。21日現在、JRA通算3609戦277勝(うち障害1999戦197勝)。97年のJRA賞最多勝利障害騎手。優秀障害騎手賞は5度受賞。重賞はアップトゥデイトでの15年中山グランドJ、中山大障害のJ・G1・2勝を含む障害15勝。156センチ、53キロ。

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