【開成山特別】障害界の絶対王者オジュウチョウサン、4年8か月ぶり平地戦挑戦!鞍上の武豊騎手「勝つようならリアル二刀流」

スポーツ報知
障害界の絶対王者オジュウチョウサン。平地重賞参戦を視野に入れての挑戦だ

◆開成山特別(7月7日・芝2600メートル、福島競馬場)

 障害界の絶対王者オジュウチョウサン(牡7歳)が、500万の開成山特別(7日、福島・芝2600メートル)で4年8か月ぶりに平地戦に出走する。障害重賞9連勝中、JG1出走機会5連勝中の16、17年JRA賞最優秀障害馬の鞍上を務める武豊騎手が語った。

 数々のスターホースの手綱を執ってきた第一人者の武豊でも、障害のスーパーホースのオファーは記憶にない。オジュウチョウサンと天才のタッグに注目が集まる。

 武豊「調教師から『乗ってもらえませんか』と依頼があって。面白い挑戦だよね」

 かつて、メジロパーマーは札幌記念を勝った91年に障害へ転向。未勝利を勝ち、障害400万(当時)で2着と好成績も、再び平地へ戻って92年の宝塚記念、有馬記念を制した。武豊が88年菊花賞でG1初勝利を飾ったスーパークリークの父、ノーアテンションも独G1オイロパ賞2着など平地で活躍するだけでなく、仏国で障害8戦2勝の成績を残した。

 「メジロパーマーは障害でそこまで強くなかった。(オジュウは)JRA賞を取っている馬だからね。もし、勝つようならリアル二刀流」

 前走の中山グランドジャンプの上がり3ハロン36秒9は障害2つがあってのもの。その末脚は平地でも魅力だ。

 「(主戦の)石神に聞いたら『分かりませんね』と言っていた。平地の重賞だったらどうかと思うけど、福島の500万なら。盛り上がるやろね。楽しみや」

 みちのくで新たな歴史を刻むか。(橋本 樹理)

 ◆オジュウチョウサン 父ステイゴールド、母シャドウシルエット(父シンボリクリスエス)。美浦・和田正一郎厩舎所属の牡7歳。北海道平取町・坂東牧場の生産。通算22戦12勝(うち平地2戦0勝)。総収得賞金は5億3307万3000円(うち平地0円)。主な重賞勝ち鞍は中山グランドジャンプ・JG1(16、17、18年)、中山大障害・JG1(16、17年)など重賞9勝。馬主は(株)チョウサン。全兄のケイアイチョウサンは13年ラジオNIKKEI賞・G3を制した。

 ◆平地重賞への出走条件 古馬重賞では規定により平地収得賞金0円の未出走馬及び未勝利馬は出走できないため、オジュウチョウサンは平地で勝利して収得賞金を獲得する必要がある。重賞では優先出走権を持つ馬以外は、出走馬決定賞金順で決められていくため、500万特別を勝っても賞金が少ないオジュウチョウサンの出走はフルゲート割れの場合に限られる。ただ、有馬記念は第1回特別登録をした馬のうち、ファン投票上位10頭に優先出走権が与えられるため、出走の可能性が膨らむ。

 ◆平地・障害双方重賞制覇 平地と障害の両方で重賞を制覇した馬は過去11頭いる。平地の小倉3歳Sと府中3歳S(ともに96年)を制したゴッドスピードは、99年の中山大障害を制した。最近では14年のマーチSを勝ったソロルが、17年の小倉サマージャンプを制覇。いずれも平地重賞を制した後に障害でも重賞を勝ったパターンで、障害重賞制覇後に平地に転向して重賞を勝った例はない。

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