【朝日杯FS】マイネルサーパス騎乗の丹内騎手、「お世話になっている『マイネル』の馬でG1を勝ちたい」

スポーツ報知
「マイネル」に恩返ししたい丹内がマイネルサーパスをG1制覇に導くか

◆第70回朝日杯FS・G1(12月16日・芝1600メートル、阪神競馬場)

 第70回朝日杯フューチュリティS(16日、阪神)の出走馬が13日、確定した。注目は前走のきんもくせい特別(福島)をコースレコード勝ちしたマイネルサーパス。鞍上の丹内祐次騎手(33)=美浦・フリー=は、苦しい時期に手を差し伸べてくれた同馬を所有する(株)サラブレッドクラブ・ラフィアンに恩返しの勝利を誓った。なお、枠順はきょう14日に決定。馬券は15日から発売される。

 「あれから13年もたつんだ…」。マイネルサーパスで4度目のG1に挑む丹内が、笑いながら振り返った。デビュー2年目だった05年の朝日杯FS。スロクハイネスでG1に初騎乗する予定だったが、直前で出走取消になった。「前日の夜に電話がかかってきて、ショックでしたね…。取材もたくさん受けて、意気込みも語ったので(笑い)」。20歳の当時は落ち込んだが、今となっては懐かしい思い出だ。

 そんな縁のあるレースにマイネルサーパスで挑む。「お世話になっている『マイネル』の馬でG1を勝ちたいんです」。それまでの柔和な笑顔が真剣な表情に変わった。マイネルとの出会いは、挫折を経験した06年。8月の新潟競馬で右上腕骨を骨折し、10か月間の長期休養。08年4月から再び同じ箇所を傷めて5か月間戦線離脱し、約1年半も休むことになった。「減量もないし、お手馬もいない。一番つらい時期」に先輩の松岡に紹介されたのが、『マイネル』だった。

 騎手人生の節目はいつも共にあった。15年のマーチSをマイネルクロップで重賞初制覇。16年には函館記念をマイネルミラノで制し、故郷の函館に錦を飾った。そして今回は、人馬ともに初のG1タイトルを狙うマイネルサーパス。「賞金を加算できれば、来年のクラシックにつながる。この馬と日本ダービーに行きたいんです」

 前走のきんもくせい特別は、福島・芝1800メートルの2歳コースレコードを2秒0も更新する1分46秒2のタイムで差し切り勝ち。「能力の高さを感じます。先頭に立つとフワッと物見をする難しい馬ですが、前に馬がいれば真面目に走る。自分で競馬を教えた馬とダービーに行けたら」。“超越”を意味するサーパスと描く未来は大きく広がっている。(石野 静香)

 ◆丹内 祐次(たんない・ゆうじ) 1985年11月5日、北海道生まれ。33歳。04年3月にデビューし、同年4月10日の福島2R(スピードタイガー)で初勝利。JRA通算261勝。今年は13日現在で11勝。重賞は15年マーチS(マイネルクロップ)、16年函館記念(マイネルミラノ)の2勝。165センチ、47キロ。血液型O。

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