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天敵「雪」と戦った競馬場 佐賀記念の舞台裏

2018年2月12日15時0分  スポーツ報知
  • 6日の佐賀記念で勝ったルールソヴァール

 冬場の競馬にとって大きな問題になるのは雪。雪の上を走ると馬が滑って騎手とともにケガをする恐れがあるため、レースができなくなる。2月12日のJRA・小倉競馬が開催中止となり、翌日に順延となった。

 一方で、地方の佐賀競馬が降雪を乗り越え、無事に開催を終えた2月6日の佐賀記念。幸英明騎手騎乗のルールソヴァールが4馬身差で圧勝したが、その裏には関係者の大変な苦労があった。

 佐賀競馬の看板レースといえば、地方交流重賞の佐賀記念とサマーチャンピオン。佐賀記念は2009年にスマートファルコン、2013年にホッコータルマエと、JRAのダートのスターホースが勝っており、競馬ファンの注目度が高い一戦だ。だが、その日の開催が雪で中止となれば、佐賀競馬サイドにとっても大きな痛手となっていた。

 前日から雪予報。開催のためには普段以上にコースの入念な整備が必要で、馬場担当は午前0時に出勤。未明の段階で馬場に3、4センチの積雪はあったが凍結はしておらず、ベストコンディションを目指すため凍結防止剤はまかず、30分ごとにチェックを続けた。午前6時頃から馬場の凍結が始まったため、トラクター3台で整地作業を開始。気温が上がってきた午前10時頃までトラクターは走り続けた。

 コースの整備だけではレースはできない。厩舎地区からパドック脇の装鞍所まで、道の除雪作業も必要だ。蹄鉄の底に雪が詰まることを関係者は『ゲタを履く』と言い、そうなると馬はバランスを崩して歩けなくなってしまう。「普段、レース前は職員9人のところを40人に増員し、装鞍所までの道の除雪作業をしました。作業が終わった厩舎スタッフなども手伝ってくれて総勢50人以上でやったと思います」と話すのは佐賀競馬事業課の鶴清継さん。午前8時前から雪が強くなり、アッという間に10センチの積雪。それでも開催を願い、大勢で懸命な作業を続けて午前11時半に無事に1レースが始まった。

 その日、11のレースに121頭が出走したが、競走中止の馬は1頭も出ず事故がなく開催を終えることができた。佐賀競馬全体でも歴代4位となる1日の売り上げ6億83万5100円を記録し、関係者の苦労は報われた。「無事に第1レースが始まったときは感動しました。佐賀記念はサマーチャンピオンと並ぶ看板競走。ここに力を入れて毎年やっていますから」と鶴さんはホッとしていた。

 その日、ルールソヴァールで勝った幸騎手は表彰式のインタビューで「1番人気にしていただいてありがとうございました。そして寒い中、競馬場まで足を運んでいただいてありがとうございました」。佐賀競馬場に駆けつけた1509人のファン、そして1番人気の馬が力通りの走りができるよう必死に馬場を整備した全ての関係者に、感謝の気持ちを示していた。(記者コラム・内尾 篤嗣)

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