【クイーンエリザベス2世C】アルアインを送り出す池江泰寿調教師、父・泰郎元調教師に続く父子2代香港G1制覇に挑む

スポーツ報知
アルアインは池江調教師の思いも乗せて走る

 JRA海外馬券発売の第2弾、第44回クイーンエリザベス2世C・G1(芝2000メートル)は29日、香港のシャティン競馬場で行われる。日本馬2頭のうち、アルアインを送り出す池江泰寿調教師(49)=栗東=は、父・池江泰郎元調教師に続く父子2代での香港G1制覇に挑む。

 昨年の皐月賞馬アルアインが、2つめの勲章を目指して海を渡った。02年のエイシンプレストンから昨年のネオリアリズムまで、日本馬が過去16年で4勝を挙げる舞台。強い4歳世代の一角が香港を制圧し、世代初の海外タイトルをつかむか。

 皐月賞以降は勝ち星に恵まれていないが、動きは良好だ。「実質的な最終追い切り」(池江調教師)となった18日は、栗東のCWコースで6ハロン83秒5―11秒8(一杯)。「しっかり全身を使えているし、動き、反応はよかった」と手綱を執った岩崎助手は好感触。昨年暮れの香港ヴァーズは体調が整わず招待を辞退したが、今回は納得のいく状態で送り込む。

 池江師の父、池江泰郎元調教師は、01年の香港ヴァーズをステイゴールドで制覇。それまで国内G1であと一歩足りなかった“善戦マン”が、届かないような位置から羽が生えたかのようにゴール寸前で強襲。異国の地、しかもラストランを悲願のG1勝利で飾った。

 衝撃の走りは今も語り継がれ、池江師が遠征した際には現地の新聞などで特集記事が組まれることも。「オヤジが勝っているから、行くとやっぱり注目される。香港でも勝ちたいよね」。師は、調教助手時代にステイゴールドの調教役として歴史を刻んだ地への思いを明かす。「この前、(2000メートルで)2分を切ったのが初めてというような馬場。大型馬でもディープ産駒なので。合うような馬場になってほしい」。脚力を生かせる舞台が整えば、父子香港G1制覇が見えてくる。(橋本 樹理)

 ◆クイーンエリザベス2世C 第1回は1975年にハッピーバレー競馬場で施行。95年から国際競走となり、97年に現行のシャティン競馬場の芝2000メートルに変更された。99年に国際G2、01年に国際G1に格付け。出走条件は3歳以上で、北半球産の3歳馬、南半球産の4歳馬にはそれぞれ斤量の恩恵がある。賞金総額は2400万香港ドル(約3億4574万円)で、1着賞金は1368万香港ドル(約1億9707万円)。レースレコードは99年ジムアンドトニック(フランス)の2分0秒1。

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