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ハリル監督解任は英断 問題はW杯後の責任

2018年4月12日14時0分  スポーツ報知
  • 17年9月、会見を終え退席する、西野技術委員長とハリルホジッチ監督(左)

 サッカー日本代表のハリルホジッチ監督が解任された。日本サッカー協会にとってはロシアW杯まで約2か月の時点での決断。「1%でも2%でもW杯で勝つ可能性を追い求めていきたい」との田嶋幸三会長の言葉には説得力があった。英断と評価するが、問題はW杯後だと思っている。

 古い話で恐縮だが、かつて私も日本代表監督の解任劇を取材したことがある。93年の“ドーハの悲劇”の後、オランダ人のハンス・オフト監督のバトンを受けたのはブラジルの英雄、パウロ・ロベルト・ファルカン監督だった。しかし、広島アジア大会の韓国戦の敗戦後に解任。協会の「W杯は日本人監督で」という熱意に背中を押されて加茂周監督が就任した。

 加茂監督は一定期間の契約が満了。延長か解除かで揺れ動いていた時、当時の加藤久委員長が率いる技術委員会は解除の結論に達し、次期監督にJリーグのヴェルディ川崎(現東京ヴェルディ)を指揮していたネルシーニョ氏をリストアップ。下交渉も終えていた。しかし、協会の結論は「ノー」だった。ネルシーニョ監督の提示した金額などの諸条件が破格だったこともあったが、可能性よりも変革を好まない協会の体質が影響したといえる。ネルシーニョ監督の“腐ったミカン発言”はあまりにも有名になってしまった。

 続投した加茂監督もフランスW杯の予選途中に解任。岡田武史監督がバトンを受け“ジョホールバルの歓喜”を演出したが、ネルシーニョ氏が指揮を執っていたら、歴史はどう動いていたのか。さて、私が注目したいのは加茂監督の続投会見で責任論を問われた協会の長沼健会長の「私が責任を取ります」という言葉だった。ハリルホジッチ監督を更迭した田嶋会長も同じ気持ちでないとファンは納得しないと思う。(記者コラム・今関 達巳)

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