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アジア杯連覇は復活への一歩!太鼓たたいた応援席での驚きから4年、なでしこの再出発

2018年4月26日16時0分  スポーツ報知
  • 練習で笑顔を見せるなでしこジャパンのFW岩渕真奈(右)ら

 リオ五輪の出場権を逃してから約2年。なでしこジャパンがアジア杯決勝(ヨルダン・アンマン)で豪州を下し、大会2連覇を決めた。シュート数は日本の5本に対し、豪州が22本。泥臭く白星をつかみ取って2019年フランスW杯出場権も獲得。「なでしこ復活」への大きな一歩を踏み出した。

 「かつてスタンドで応援団の太鼓をたたいていた」とは、明大応援席から日本代表まで駆け上がったDF長友佑都の“枕ことば”だが、私もこの仕事に就く前の2014年、女子アジア杯の前回大会決勝・豪州戦(1〇0、ベトナム・ホーチミン)で、太鼓をたたいていた。

 「日本から太鼓隊が来なかった」「自前の太鼓を持っているというベトナム人と仲良くなり、たたくように説得された」「半信半疑で試合に行くと、そのベトナム人が親日家の友達50人を連れてきていた」などの理由が重なってのこと。記者職を志し、後学のためメインスタンドでメモを取りながらのんびり観戦するつもりだった私に、思わぬ大役が回ってきてしまった。

 私1人でベトナム人50人と盛り上がっても意味がない。試合前のスタンドで、来場した日本人に応援協力のお願いをして回った。会場に駆けつけた日本人は150人程度で、その大半が駐在員のご家族や現地採用で働く方々、日本からの留学生。「初めてスタジアムでサッカーを見ます」という人も多かった。

 驚いたのは、なでしこの選手たちの知名度の高さだった。日常的にサッカーを見ない層にも、澤穂希さんはもちろんのこと、宮間あや、川澄奈穂美、鮫島彩などの主力選手の名前が知れ渡っていた。11年ドイツW杯優勝、12年ロンドン五輪銀メダルの奮闘ぶりは、自分が感じていたよりも世間に浸透していた。

 リオ五輪アジア最終予選敗退後、人気低迷や知名度の低下が叫ばれていた。15年カナダW杯準優勝以来の国際タイトルを手にし、再出発への第一歩は確実に踏み出したが、新生・なでしこは、まだまだここからだ。

 今季からなでしこリーグ1部の試合がリーグ公式サイトで無料配信されるようになった。リオ五輪最終予選敗退後は公式戦自体が少なかったが、フランスW杯は来年。再来年には東京五輪も控える。メディア露出も増え、注目度も高まっていくはずだ。“過渡期”は終わった。生まれ変わったなでしこの復活劇に期待したい。(記者コラム・岡島 智哉)

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