【北沢豪　代表チェック】もっと速いテンポでボール動かせ

◆サッカー国際親善試合　日本１―１マリ（２３日、ベルギー・リエージュ）

　けが人がいる中、現状で調子の良い選手を優先的に選んで臨んだ試合。その点で考えれば、１―１という結果は仕方がないのかもしれない。Ｗ杯に向けて、課題が見えた試合になった。

　前半の数回は複数の選手が連動して動いて、速いタイミングでパスをつないでゴール前まで持っていけた。ただ、後半は効果的な攻撃ができていなかった。理由は攻撃の一手目にある。最終ラインからパスを出すタイミングが遅い。相手の守備陣形が整った状況で出すから、受けた方が大変。奪われる確率も高くなる。

　もっと速いテンポでボールを動かして、パスを受けた選手がターゲットにされる局面をつくらない方がいい。裏を狙うパス、サイド攻撃を増やすなど、チャレンジする回数を増やさないといけない。仮にサイドでボールを奪われても、ゴールまで直線的に攻められるわけではない。リスクマネジメントをしながら、速いテンポでパスをつないで欲しい。

　最後に中島で得点を奪ったのは大きい。守りながらでも、点を取れる形をどれだけ増やしていけるかが重要になる。（スポーツ報知評論家）