【なでしこ】阪口夢弾で8大会連続W杯!豪州と1-1ドローも決めた

スポーツ報知
なでしこジャパン・高倉麻子監督

◆サッカー女子 フランスW杯アジア予選兼アジア杯 ▽1次リーグ・B組 日本1―0オーストラリア(13日・ヨルダン)

 【アンマン(ヨルダン)13日=小又風花】FIFAランク11位のなでしこジャパンは、1次リーグ(L)B組最終戦で同6位のオーストラリアに1―1で引き分け、8大会連続のW杯出場を決めた。第2戦・韓国戦から先発3人を入れ替え。前半は0―0で折り返すと後半18分、MF長谷川唯(21)=日テレ=の左クロスに合わせたMF阪口夢穂(みずほ、30)=同=が先制。同41分に同点弾を許したが、規定により2位となり、5位までに与えられる19年フランス大会の出場権を獲得した。17日の準決勝でA組1位の同17位・中国と対戦する。

 世界への扉を再び開いた。2016年リオ五輪出場を逃し、佐々木則夫監督の長期政権からバトンを受けた高倉麻子監督(49)率いる新生なでしこが、苦しみながらも“第一関門”を突破した。格上オーストラリアとの対戦は0―0の後半18分、左サイドからMF長谷川が入れたマイナスのクロスを、フリーのMF阪口夢が左足で沈めて先制。同41分に同点とされたが、引き分けでW杯切符を獲得した。高倉監督は「引き分けは残念だけど、出場権を獲得できたので優勝目指して頑張りたい」と喜びを爆発させることなく控えめに語った。

 16年4月の高倉監督就任後、若手の育成や新戦力の発掘を目指してきたが、思うような結果に結びつかなかった。3月のアルガルベ杯では12か国中6位でアジア杯の前哨戦を終えた。経験豊富な大黒柱役の必要性を感じた指揮官はFW川澄を2年ぶりに招集した。復帰前から米国・シアトルで同僚のDF宇津木から毎日のように代表の話を耳にしていた川澄は、合流すると絶句。「正直、大会に臨む雰囲気じゃない」と危機感を口にしていた。

熊谷主将ゲキ 一体感を生んだのは主将のゲキだった。1次リーグ初戦・ベトナム戦前日のミーティング。DF熊谷は「簡単な試合じゃない。自分たちはリオ五輪(出場)を逃している。絶対に逃せない」とチームメートに気合を入れた。効果はてきめん。今回の遠征では日がたつにつれ、練習での声出しやコミュニケーションの回数も増えていった。ホテルの部屋では、それぞれが練習のビデオを見て話し合うことも多くなった。

 是が非でも勝ち点を取りたかった大一番で、11年ドイツW杯優勝経験のあるベテラン勢がチームを引き締め、長谷川ら若手が躍動した。8大会連続でのW杯切符はつかんだ。重圧から解放されたなでしこが次に狙うのは大会連覇だ。

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