【なでしこ】W杯死守!耐えてオーストラリアとドロー、8大会連続8度目決めた

スポーツ報知
なでしこジャパンの日程

◆サッカー女子 フランスW杯アジア予選兼アジア杯 日本1―1オーストラリア(13日・ヨルダン)

 【アンマン(ヨルダン)14日=小又風花】FIFAランク11位のなでしこジャパンは、1次リーグB組最終戦で同6位のオーストラリアに1―1で引き分けてB組2位で4強入り。8大会連続8度目となる19年フランスW杯の出場を決めた。大会連覇に向け、17日(日本時間18日)の準決勝でA組1位の同17位・中国と対戦する。

 新生なでしこが、1991年の第1回大会から続くW杯出場の歴史をつないだ。就任2年目の高倉麻子監督(49)は「力を振り絞って究極の戦いを経験し、勝ち上がったことが財産。一つチームが成長した」と喜んだ。若返りを図って伸び悩んだ時期もあったが、再び世界への挑戦権をつかみ取った。

 11年ドイツW杯で初優勝、12年ロンドン五輪でも銀メダルを獲得した佐々木則夫前監督(59)の長期政権は、地元開催だった16年のアジア最終予選で3位に終わってリオ五輪出場権を逃した。オーストラリアは予選の初戦で1―3と敗れた因縁の相手。死闘のすえの引き分けでチームの成長を示した。

 3月のアルガルベ杯ではオランダに6失点。体格やスピードで勝る相手に、両サイドをドリブル突破される場面が続いた。2年ぶりに代表復帰したFW川澄は「一つの選択が命取りになるのがサッカー。決まり事がほとんどない。それこそ自分の判断でゲームが決まる」と表現。縦への突破は複数選手で抑え、ゴール前に迫らせない意識を共有した。相手のポジショニングに合わせて、遠征中のホテルの部屋ではそれぞれがビデオを見て話し合った。

 1次リーグ初戦・ベトナム戦前日のミーティングでは、DF熊谷主将が「簡単な試合じゃない。自分たちはリオ五輪(出場)を逃している」とゲキを飛ばした。先発メンバーの平均身長で約4センチ高いオーストラリアに、粘り強く体を張った。「前線の選手の守備の力に本当に感謝したい」と熊谷。日本の3倍近い14本のシュートを耐えしのぎ、少ないチャンスをつかんだ。

 後半41分に追いつかれた後は、DFラインでパス回しをして“時間稼ぎ”を続けた。このままなら両チームともW杯出場権を獲得できるため、オーストラリアもボールを追ってこなかった。異例の決着に、3試合フル出場のFW岩渕は「勝ちに行きたかった。次勝てば決勝でもう一度オーストラリアとできると思うので、いい準備をしたい」と悔しがった。W杯切符獲得は通過点。アジア杯連覇で、2大会ぶりのW杯制覇へ勢いをつける。

 ◆フランスW杯 2019年6月7日~7月7日にパリ、リヨン、ニース、グルノーブルなど9都市で開催。24か国で争い、現時点では中国、タイ、オーストラリア、日本の4か国が出場決定。

 ◆1次L順位決定方法 勝ち点が並んだ場合〈1〉当該チーム間の勝ち点〈2〉同得失点差〈3〉同総得点〈4〉1次L全試合の得失点差〈5〉同総得点〈6〉当該チーム間によるPK戦(当該チームが2チームで、かつ両チームが同じ会場にいる場合)〈7〉警告ポイント〈8〉抽選で順位を決定。B組は3か国が勝ち点5で並び〈3〉により韓国が3位、〈4〉によりオーストラリアが1位、日本が2位と決まった。

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