【ロシアW杯ここに注目】延長で交代枠+1で90分にこだわる采配に

スポーツ報知
3月のマリ戦の後半、宇佐美(左)に代わりピッチに入る中島(中)(奥は三竿、右端はハリルホジッチ監督)

 「ここに注目」の第5回は、延長4人目交代を紹介する。国際サッカー連盟(FIFA)はロシアW杯で延長戦に突入した場合に限り、これまで3人だった交代枠を1増やし、4人とすることを決めた。ブラジルW杯では決勝トーナメント16試合中、8試合が90分で決着がつかず、延長に突入している。F東京の長谷川健太監督(52)、鹿島の大岩剛監督(45)はともに前、後半90分で勝負を決めにいく采配ができるとの見方を示した。

 延長戦における交代枠プラス1は、よりアグレッシブな采配を可能にする。ルヴァン杯でも決勝戦など一部で採用される今ルールを見据え、長谷川監督は「1つ増えることであまり消耗を気にせず、メンバー交代できる部分はあると思います」と話し、大岩監督も「(交代枠が)3人の場合でもそうだったが、それが4人になればより90分で勝負にこだわる采配になると思う。3人目の交代が早くなる」と明かした。

 16年リオデジャネイロ五輪、昨年のクラブW杯などで試験導入され、ロシアW杯でも採用が決まった。これまでの3人制では延長戦に突入した場合、疲労からオープンな展開となり、ピンチを防ごうとラフプレーが多くなる傾向がある。見る側にとってはエキサイティングな面もあるが、今回の決定は選手の健康面に配慮し、質の高いサッカーを提供することを考えた措置といえる。

 長谷川監督はこう指摘する。「サッカー自体が限界に来ているのもある。点数が入るようにルールを改変してきた歴史がある。でも、もうシステムもオフサイド(の変化)も行き着いた中で、変えるとしたらメンバー交代だけ。実際、これだけ過密日程の中で90分で交代枠3人では回しきれない部分はある。メンバー交代を増やすことにゆくゆくはなっていくと思う」

 長谷川、大岩両監督は「サッカーそのものは変わらない」と声をそろえたが、延長戦の交代枠が増えた分、監督の采配の重要性が高まるとみている。

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