3バック中央に長谷部!西野監督「日本化」新システム構想

スポーツ報知
長谷部

 日本代表の西野朗新監督(63)が、6月のロシアW杯に向けて3バックのシステムを導入する構想があることが3日、分かった。3バックの中央にはフランクフルトで同位置でプレーするMF長谷部誠(34)を起用するプランが浮上。4バックの4―3―3が基本だったバヒド・ハリルホジッチ前監督(65)の下では一度も試されなかった3―5―2システムがベースのイメージとなる。

 西野ジャパンの“ロシアW杯構想”の一端が見えた。関係者の話を総合すると、現在欧州視察中の西野監督は3バックの導入を考えているという。3―5―2、3―6―1といったアイデアを練っており、ハリル監督時代には一度も試されなかった3バックで「日本化」し、日本初の8強を狙う可能性が出てきた。

 構想の中心にあるのはMF長谷部の“コンバート”だ。西野監督は欧州視察中の1日に、日本協会の田嶋幸三会長を交え、長谷部と会談した。長谷部はこれまで日本代表ではボランチとしてプレー。一方、所属するフランクフルトでは3バックの中央で、新境地を開拓してきた。元クロアチア代表選手のコバチ監督の信頼は厚く、的確な指示とカバーリングを評価され、今季はここまでドイツ1部で24試合に出場したが、そのほとんどが最終ラインの中央での出場だった。チームは2試合を残し、現在7位で、欧州リーグ出場圏の6位と勝ち点1差につける。ドイツ杯では決勝(20日・対バイエルン)に進出の要因にもなった。それを日本代表でも採用するつもりだ。

 守備時には左右のウィングバックを下げて、最終ラインを5人で構成し、敵の猛攻をしのぎきるプランでもある。1974年の西ドイツW杯では「皇帝」と称された西ドイツ代表のベッケンバウアーが中盤ではなく最後尾「リベロ」でプレー。日本人最多のブンデスリーガ1部260試合の経験を持つ長谷部が、戦術眼を生かせる位置でもある。

 基本は2トップの3―5―2。中盤は、ハリル前体制ではトップ下の位置が“消滅”することもあった。だが、今回のプランではトップ下が“復活”する場合もあり、司令塔の役割を担う香川や本田を生かしやすくなる。2トップになると、最近は招集されていなかった岡崎や、久保らFWのコンビネーションでチャンスを演出する選手が特長を発揮しやすくもなる。場合によっては1トップの下に2枚を置く1トップ2シャドーや3ボランチの形も考えられるという。

 システムや人の配置を換えただけで劇的にチームが強くなる保証はない。西野監督は就任会見で「日本化したフットボールがある。技術、組織的な部分で結束して戦う」と語った。少しでも日本の良さを出してロシアで勝つ可能性を高めるため、指揮官の頭には新プランが浮かんでいる。

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