牛の搾乳しながらJ目指す!酪農従事で生活費確保「北海道十勝スカイアース」が事務所開き

スポーツ報知
事務所開きでチームフラッグを持ち、意欲を見せる藤川代表(左から2人目)らクラブ役員

 十勝からJリーグ参入を目指す「北海道十勝スカイアース」(前・十勝FC)は20日、帯広市内で事務所開きを行った。元Jリーガーの梅山修監督(44)のもと、南米流の「魅(み)せるサッカー」を実現していく一方、藤川孝幸代表(55)は新加入選手の生活費を地元の農作業や酪農従事で確保する“半農選手”システム導入を明言。来年3月1日のチーム始動を目指す。

 帯広市内中心部のビル1階にオープンしたスカイアースのクラブ事務所。藤川代表は「ここから日本一の総合スポーツクラブ、Jリーグ昇格を目指し、本格的に進んでいきたい」と力を込めた。

 藤川代表は元ヴェルディ川崎(現・東京V)のGKで、引退後スポーツスクール運営大手「リーフラス」常務として経営に携わってきた。十勝地区サッカー協会関係者からの打診を受け、9月に設立された北海道十勝スカイアーススポーツ株式会社で陣頭指揮を執ることになった。

 元日本代表FW城彰二氏(41)をスーパーバイザーに招聘(しょうへい)し、新監督には今秋までアルビレックス新潟サッカースクールコーチを務めた梅山氏が就任する。藤川代表は「Jクラブでバスケットなども展開するアルビレックスは、我々のモデルケース。新監督にはノウハウを生かしてほしい。戦術的には南米流の個人技を生かした戦いを見せてほしい」と期待した。

 選手は、十勝FCでプレーした21人中11人が残留予定。補強は大学生やJ経験者ら15人程度を計画している。新加入選手には地元農家や酪農家の協力を得て仕事先を紹介。朝、夕2回の搾乳作業に従事し、昼間はサッカー練習を行う“半農選手”として生活費を確保。一部の中心選手とはプロ契約する予定だ。来年2月にメンバーを決定し、同3月1日に新チーム始動予定。J1コンサドーレ札幌との合同練習も行うプランもある。

 最大の目標は、2028年のJ1昇格。チーム名は十勝の「空と大地」を表し、マスコットは帯広市の鳥「ひばり」をモチーフに。十勝“生まれ”のイレブンが来年、大きな第一歩を刻む。(小林 聖孝)

 ◆クラブのビジョン 2018年に天皇杯、国体出場及び、道リーグ優勝の道3冠達成を目指す。19年はJFL昇格(全国地域リーグ決勝大会で2位以内)し、22年にJ3昇格(JFLで4位以内)と、5000人以上収容の専用競技場を完成。25年にはJ2昇格(J3で2位以内)、1万人以上収容の競技場に増設。28年はJ1昇格(J2で2位以内か3~6位の昇格プレーオフで優勝)、1万5000人以上収容の競技場へと規模を拡大させることを描いている。

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