【天皇杯】有終の2冠締め狙うC大阪か、退任モンバエルツ監督の集大成見せたい横浜Mか

スポーツ報知
天皇杯決勝での復帰に向けて全開をアピールしたC大阪MF山口蛍と決勝に向けた練習で、シュートを決めて喜ぶ柿谷(右)

 サッカーの第97回天皇杯は年明けの1月1日、埼玉スタジアムで決勝戦を迎える。14大会ぶりのファイナル進出でJリーグ発足後の初制覇を狙うC大阪(ヤンマー時代に優勝3回)と、前身の日産自動車時代を含めて4大会ぶり7度目の頂点を目指す横浜Mが対戦。両軍の対決は日本リーグ時代の1983年度大会以来34年ぶりとなる。C大阪はシーズン終盤にけがが相次いだ主力の回復で視界良好。横浜Mはけが人を3人抱えるが、退任するエリク・モンバエルツ監督(62)のもと結束を強めている。

 ◆けが人が戻るセレッソか

 C大阪は現状のベストメンバーが勢ぞろいし、元日の決勝戦に臨む。日本代表MF山口蛍(27)は右ふくらはぎの肉離れで11月下旬から戦列を離れていたが、先発復帰が決定的。左足甲の痛みで23日の準決勝・神戸戦は途中出場した主将のFW柿谷曜一朗(27)も、先発出場が濃厚になった。左足首の遊離軟骨除去手術を受けた日本代表FW杉本健勇(25)は応援に回るが、最後の大一番を前に、可能な限りの布陣は整った。

 ヤンマー時代の83年大会は0―2で日産に敗れたが、今季はリーグ戦2試合、ルヴァン杯のグループリーグで横浜Mに3戦3勝。直近対決の11月18日は先制を許しながら、後半4得点で逆転する快勝だった。それでも山口が「マリノスはだからこそ気迫を出してくる。それに負けるようだと、試合にも負ける」と語るように、気の緩みはない。ルヴァン杯で初タイトルを獲得し、リーグ戦も最高タイの3位に入ったクラブ史上最高の1年。2冠で有終の美を飾る。

 ◆有終の美へ“チルドレン”の士気が上がるマリノスか

 4大会ぶり7度目の優勝を狙う横浜Mは主力にけが人が相次いでいるのが気がかり。長期離脱中のMF斎藤学(27)に加え、準決勝で左ふくらはぎ肉離れで負傷退場したMF扇原貴宏(26)の欠場も確定。同戦で決勝点を奪ったエースFWウーゴ・ヴィエイラも29日の練習中に右ふくらはぎを痛め、出場が微妙な状態になっている。

 しかし、選手たちのモチベーションは高い。3年間指揮を執ったエリク・モンバエルツ監督(62)がこの試合限りで退任する。若手育成に定評のある指揮官が熱心に指導してきたMF天野純(26)やMF喜田拓也(23)ら“モンバエルツ・チルドレン”は「監督のためにも優勝したい」「監督を最高の形で送り出したい」と声をそろえる。

 今季は伝統の粘り強い守りで勝ち点を拾うスタイルで、昨季10位から5位に順位を上げた。モンバエルツ体制の集大成となる一戦で、自慢の守備をベースに少ないチャンスを生かし、タイトル獲得を目指す。

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