【高校サッカー】富山第一Vへ 中西哲生氏“講義”で進化

スポーツ報知
リラックスした表情で前日練習を終えた富山第一イレブン

 第96回全国高校サッカー選手権が30日、開幕した。富山県代表で3年連続28度目出場の富山第一は、直前の茨城合宿で、元川崎MF中西哲生氏(48)から“特別授業”を受けて進化。万全の状態で開幕戦を迎える。2年ぶりの出場となる石川県代表の星稜・河崎護監督(58)は「戦う体勢は整った」とチームの順調ぶりを語った。両校はきょう31日に初戦を戦う。

 日本一を示す星を、左胸に付けたエンブレムの上に輝かせ、富山第一イレブンが堂々の入場行進を行った。主将の多賀啓志朗(3年)は「他校の行進を見て『始まるんだな』と感じた」と、決戦へ気持ちを高ぶらせた。

 4大会ぶりの頂点へ、仕上がりは万全だ。チームはJ1鹿島のグラウンドを借りて合宿を実施。28日には、元川崎MFで現在はJ1のF東京MF久保健英(16)の個人コーチなども務める中西氏=写真=が視察に訪れた。3日後に初戦を控えるイレブンに、中西氏はシュートの打ち方やトラップの仕方など、基本的かつ実戦ですぐに使えるアドバイスを伝授した。

 FW坪井清志郎(3年)は「肩に力を入れずに打てば、良いシュートが打てると言われました」と早速、練習に取り入れた。FW大竹将吾(3年)も「ボールをイレギュラーしないトラップの仕方や、ポストプレーでのボールの落とし方など聞きました。すぐに使えるし、意識するだけで違う」とその効果を実感していた。

 親交のあった大塚一朗監督(53)とのつながりで実現した貴重なレッスン。指揮官は「説明が理にかなっていて、選手も分かりやすかったようです」と“援軍”に感謝した。

 きょう31日の1回戦・東海大星翔戦は中西氏も観戦予定で、勝てば元日の練習でも再び“特別授業”が行われるという。多賀主将は「序盤からペースを握って、圧倒して試合を終われたらいい」と、初戦突破を力強く宣言した。(尾田 敏成)

 ◆中西 哲生(なかにし・てつお)1969年9月8日、愛知県生まれ。48歳。名古屋大付―同志社大。92年に名古屋入団。97年、当時JFLの川崎へ移籍、99年のJ1昇格に貢献した。2000年の現役引退後は、スポーツジャーナリストとして各メディアで活躍。

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