【高校サッカー】ロスタイムV弾で仙台育英初戦突破

スポーツ報知
前半5分、左足で先制点を挙げた仙台育英・佐藤一(9番)

◆第96回全国高校サッカー選手権大会 ▽1回戦 仙台育英3-2高松商(31日・ニッパツ三ツ沢)

 1回戦が行われ、仙台育英(宮城)はFW佐藤一輝(3年)が今大会初となるハットトリックを達成し、高松商(香川)を3―2で下した。同点で迎えた後半アディショナルタイムに、セットプレーから頭で決勝点。5年ぶりの出場で初戦を突破した。

 ファーサイドからフリーで飛び出した仙台育英・佐藤一は、ゴールへ向かっていくボールに頭を合わせた。勝利を決める一撃がネットを揺らすと、スタンドに向かって駆け出し、喜びを爆発させる。同点で迎かえた後半アディショナルタイム43分。今大会初のハットトリックを達成した決勝弾を「PKになる前に決めてやろうと思っていた」と振り返った。

 狙い通りのハットトリックだった。前半5分にはセットプレーからのこぼれ球を、左足で叩き込む先制弾。前半終了間際には、ヘディングで追加点を押し込んだ。「ハットトリックは狙っていました。注目選手がいる中で、点を取れば自然と注目される」。青森山田の10番・郷家友太(3年)とは、ベガルタ仙台ジュニアユースでともにプレー。「今でもライバルだと思っている。3点じゃ足りない」。ライバル心が原動力だ。

 元々はきれいに点を取ろうとするタイプ。高校総体前にはレギュラーから外された時期もあったが、城福敬監督(60)の「泥臭くプレーしろ」という言葉で意識が変わった。今では、試合前に英プレミアリーグ・レスターで活躍する元日本代表FW岡崎慎司(31)の動画を確認。「背後から回ったりする動きがうまい。試合前に見てイメージをつくっています」。代名詞のダイビングヘッドなど得点への執念も見習い、3得点につなげた。

 2日の2回戦は、プレミアリーグ・ウエストにも参戦している強豪・米子北(鳥取)が相手。「必ず1回はチャンスが来る。その1回を決めて勝ちたい」。チーム事情から左サイドハーフを務めても、ゴールだけを目指す点取り屋が、難敵撃破を狙う。(山口 泰史)

 ◆佐藤 一輝(さとう・かずき)1999年5月29日、宮城・仙台市生まれ。18歳。小学2年でなかのFCでサッカーを始め、中学時代はベガルタ仙台ジュニアユースでプレー。小学時代はGK、中学時代にはセンターバック、サイドバックも経験。中学2年からFWに定着した。177センチ、64キロ。

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