【高校サッカー】前橋育英・飯島2得点で決勝進出 大迫の持つ大会最多得点まであと3点

スポーツ報知
後半41分、左足で5点目のゴールを決める前橋育英・飯島(カメラ・矢口 亨)

◆第96回全国高校サッカー選手権大会 ▽準決勝 前橋育英6―1上田西(6日・埼玉スタジアム)

 準決勝2試合が行われ、前橋育英(群馬)が2年連続3度目、流通経大柏(千葉)が10年ぶり2度目の決勝進出を決めた。前橋育英はFW飯島陸(3年)が2得点を挙げるなど攻撃陣が爆発し、上田西(長野)に6―1の大勝。飯島は得点ランクトップの7ゴールとした。決勝は8日、埼玉スタジアムで行われる。

 2点目を決めたFW飯島は、ユニホームで顔の汗を拭いながらニヤリと笑った。1―0の前半27分、ゴール前で切り返して相手をかわすと、右足でゴール左隅へシュート。後半41分にはドリブルで縦へ切り込み、左足でダメ押しの5点目を押し込んだ。四日市中央工・浅野拓磨(現ドイツ1部シュツットガルト)らに並ぶ大会7得点。ランキングを独走する背番号10は「シュートは自信を持っていないと入らない。点を取るイメージは常にある」。大会最多10得点の“大迫超え”を見据えた。

 昨夏の高校総体前。右足首の靱帯(じんたい)を痛め、試合に出られず。チームは流通経大柏に0―1で敗れ4強に終わったが、悔しさを糧にした。風呂上がりのストレッチを入念にして故障予防に努め、「シュートが詰まる感じだった」という股関節回りは専門書を購入して可動域を広げた。すると「スムーズに動けるようになったし、キックの精度も増した」。苦手だった左足でこの日もゴールを奪った。

 自宅トイレの扉には、決定力を上げる紙が貼られている。前回大会は決勝で青森山田に0―5で完敗。自身は出場6試合1得点と力の差を感じ「サイドネットを狙え。ゴールラッシュ間違いなし」と記し、見直しては心に刻み続けてきた。

 それから1年。成長したエースを頼もしげに見つめながら、就任36年目の山田耕介監督(58)は「もう一回埼スタに戻ってこようと1年間やってきた。8日はその思いを表現する場」。県大会初戦から7試合連続無失点は途切れてしまったが、目標はただ一つ。昨夏の雪辱を果たし、3度目の正直で悲願の日本一をつかみ取る。(小又 風花)

 ◆飯島 陸(いいじま・りく)1999年11月17日、埼玉・本庄市生まれ。18歳。3歳でサッカーを始め、小学5年から日本代表・原口元気も所属した江南南サッカー少年団でプレー。クマガヤSSCを経て、前橋育英に入学。手本の選手はスアレス。好きな食べ物はハンバーグ、焼き肉。A型。166センチ、58キロ。家族は両親、兄、妹。

 ◆1大会最多得点 前橋育英のFW飯島の1大会7得点は首都圏開催となった第55回(1976年度)以降で11位タイ。最多は第87回(2008年度)のFW大迫勇也(鹿児島城西)で10得点。2位は第82回(03年度)のFW平山相太(国見)、第78回(99年度)のFW石黒智久(富山第一)の9得点。8得点は第79回(00年度)のFW大久保嘉人(国見)ら7人がいる。

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