【金沢】柳下監督、インタビューで爆上げ宣言「1ケタ順位」狙う

スポーツ報知
昨年11月の練習では、柳下監督自ら、ピッチにたまった雨水をかき出していた

 2018年は飛躍の年に―。J2ツエーゲン金沢の柳下正明監督(58)がこのほど、スポーツ報知のインタビュー応じ、昨季17位だった順位の“爆上げ”を宣言した。13勝10分け19敗に終わった昨シーズンを「勝ち点はもっと取れた」と振り返った指揮官。2月25日に開幕する新シーズンの目標を「真ん中以上、あるいは1ケタ順位」と設定した。

 ―まずは昨季の振り返りを。

 「シーズンに入る前に、一昨年の試合を10試合くらい見ていて。守備のところは変えていかないと難しいなというところがあった。で、実際(リーグ戦が)スタートしてみたら、もっと大変だった。選手たちの、人をマークするという意識がすごく低かったんで。実際、それをさせることに時間がかかった」

 ―中盤以降10試合勝ちなしなど苦しい期間もありました。

 「(見ていて)『えっ?』というプレーを(選手が)してしまって、勝てるゲームが勝ち点1で終わるというのがあった。でも、失点も個の部分が多いんで、そこが直れば、また勝ち点は増えるだろうとは思っていた。勝てなかったけど、そんなに心配はしていなかった」

 ―最後は7試合負けなしでフィニッシュ。

 「(シーズン通して)チームとしても個人としても良くなった。最後の終わり方も非常に良いんだけれども。トータルして考えると、勝ち点はもっと取れたんじゃないかな」

 ―失点数67(ワースト5位)については。

 「やるべき事をやらないために失点していることが多い。でも、もっともっと減らそうという思いはあんまりない。失点はするもん。4対3で勝てばいいというものではないが、失点1は覚悟しないといけない。じゃあ2点以上取るようなチームにしていかないと勝ち点は増えない、という考えだから」

 ―監督がよく口にする『やるべき事』とは。

 「個人的な事もあるし、グループ、チームとしても約束事がある。特に守備。チームとしての役割。その役割を、セットプレーなんかで自分だけの考えでやってたら、成り立たないよね。そういう約束事を1人、2人がやらなくなったらチームとして機能しない」

 ―昨季はどうだったのでしょうか。

 「シーズン始めはそういう選手が2人以上いたのね。それがだんだん減ってきて、最後はみんな、多少やれなくてもカバーし合う事ができるようになった」

 ―ベストゲームを挙げるなら。

 「ホームでの岐阜との1―1(40節)。それは、トレーニングでやってきたことが(試合を通じて)実際やれたんで。60分まで良かったとか、前半あるいは後半良かったねとか、そういうゲームは結構あるけどね」

 ―シーズン前にチームは『アクションサッカー』を掲げました。

 「それは常に(選手は)起こしてると思うよ。それが成功しているかどうかは別としてね。自分からアクションを起こしてボールを奪いに行くとか。ボールを要求する、受ける動きをするとか。そういうのは実際やれていると思う」

 ―新シーズンに向けては。

 「一昨年21位で昨年17位。そしたらやっぱり、真ん中より上。あるいは1ケタ順位を目指すのが妥当だよね。プレーオフ? いや、そこまではまだまだ力がないし。まず中位。22チームいたら11位と、目標というか考えながら。(昨年)42試合2回ずつ対戦してみて、全く歯が立たないなとは(どこに対しても)思ってないから」

 ―最終的なチームの理想像は。

 「自分の考えている一番は、マイボールになった、じゃあミスせずゴールまでいくチーム。それは無理だよね。無理って言うか、それができたら、やめるよね。だから、やめられない。だから、指導者はみんなやり続けるんだと思う」

 ―監督冥利に尽きる瞬間は。

 「チームが勝つこと。選手が良くなってるなと感じるときは楽しいよね。何にも変わらないじゃん、っていうのは面白くないし情けないよね、自分自身が」

 ―サッカーを離れた時はどう過ごされていますか。

 「車で立山連峰に行ったり能登の方に行ったりしてるよ。あと白山。福井の東尋坊へや岐阜の白川郷にも。温泉旅館も結構見つけて行くよ」

 ◆柳下 正明(やなぎした・まさあき)1960年1月1日、静岡県生まれ。58歳。浜名高、東農大を経てヤマハ発動機(現J1磐田)に入団。1982年度の天皇杯で優勝するなどDFとして活躍。引退後は磐田のコーチを歴任後、03年1月に監督昇格。04~06年札幌(当時J2)、09~11年J1磐田、12~15年J1新潟の監督を務めた。17年にツエーゲン金沢の監督に就任。

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