【札幌】ペトロ監督、「アメとムチ」でチーム強化「広島と浦和の最初の時よりもいい状態」

スポーツ報知
大声で選手に指示を出すペトロヴィッチ監督(中央)

 J1北海道コンサドーレ札幌のミハイロ・ペトロヴィッチ監督(60)が「アメとムチ」を実践し、強化を図る。沖縄・金武町キャンプ2日目の16日、2部制で練習を本格化。午前中はほぼ無休でボールを使いながら2時間走り続けるきついメニューを課しつつ、終了後は選手たちにレモンキャンディーを配り、場を和ませた。午後も夕暮れまで約2時間の練習。ピッチでは厳しさを植え付ける一方、選手の様子を細かく気を配る「ミシャ流」で向上に努める。

 疲れ切った様子でクールダウンのストレッチをする選手たちに、ペトロヴィッチ監督が次々と小さな袋を手渡した。その中身はアメ。「いい動きだった」など笑顔で声をかけながら配り、午前練習を終えた。DF福森晃斗(25)は「レモン味でした」と過酷な練習の中での一服の清涼剤を喜んだ。

 まさに「アメとムチ」だ。午前は8人ずつ3チームに分かれ、ミニゲームを行った。2チームが戦う間、残る8人はグラウンド脇で10分間、ダッシュを繰り返した。当初予定を30分上回る2時間を消化。午後も日が暮れるまで2時間、ピッチの4分の3を使ったゲームを実施。キャンプ2日目にして一気にペースは上がったが、指揮官は「サッカーというのはハードな仕事だから」と平然と口にした。

 チームをつぶさに観察し、硬軟を使い分けていく。17日間の沖縄キャンプでオフの予定はない。その代わり、この日は午前練習の疲労を考慮し、午後の開始を30分遅らせたよう、状態に応じて柔軟にメニューを変えていく。「始まったばかりだが選手はよくやっている。私が過去指揮した広島と浦和の最初の時よりもいい状態」と言い切った。シーズンに最良の形で入るための青写真は、しっかりと描かれている。

 ペトロヴィッチ監督は2日間、攻撃時におけるボールを保持していない「3人目の動き」にこだわり、細かい連係プレーを意識づけさせている。MF小野伸二(38)は「慣れない部分はあるが、ボールを使いながらなのでリズムも作りやすいし、きついけど楽しくやれている」と充実の表情。福森は「頭も使うし大変だけど、これが出来れば間違いなくうまくなる」と続けた。

 従来通り「3―4―2―1」のシステムを継続する今季、ミシャ(ペトロヴィッチ監督の愛称)の哲学を注入し、盤石の体制を整える。(砂田 秀人)

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