【札幌】FW宮吉、定位置取り狙う ペトロ監督の哲学に合致し評価急上昇

スポーツ報知
鋭い眼光でパスを出す札幌FW宮吉

 J1北海道コンサドーレ札幌FW宮吉拓実(25)が、環境を変えて再起を期したチームで、定位置取りを狙う。沖縄・金武町でキャンプ中の札幌は17日、午前と午後の2部練習を行った。J1広島から完全移籍で加入した宮吉は、フルメニューを消化。攻撃的位置での存在感を高めている。昨季は右膝手術の影響もあり、8試合出場にとどまった。悩んだ末に下した移籍の決断が間違っていなかったことを新天地のピッチで示す。

 不完全燃焼に終わった昨季の屈辱を、宮吉が札幌で晴らす。7月に右膝を手術し8試合出場に終わりながら、受けた札幌からのオファー。「力になれなかった中で離れるのは難しいものがあった」。それでも移籍を決断したのは成功への強い思いだった。「環境を変えて個人的にもレベルアップできればと思った」。ミハイロ・ペトロヴィッチ監督(60)のもとで成長すべく、覚悟を持って札幌に来た。

 自らを「相当な人見知り」と言い、チームにはまだ、なじめてはいないが、ピッチで見せる顔は別。「攻撃でのボールを持っていない時の動き」を重んじるペトロヴィッチ監督の哲学に応える、飛び出しの絶妙なタイミングとポジショニングの良さで評価を上げている。「全員が同じ意識を持てたら、いい形で相手を崩せる。みんなと徐々にコミュニケーションを取って、1日1日積み重ねていきたい」

 背番号は31。08年に高1で京都とプロ契約を結んだ際につけた番号。11年には、プレーと、その人間性に憧れた元日本代表FW柳沢敦から13番を受け継いだが「柳沢さんの13の反対なので」と言うように強い思い入れがあり、広島時代も背負った番号で勝負する。「ここに来たのも縁があったから。少しでも力になれれば」。札幌で新たな輝きを、宮吉が放つ。(砂田 秀人)

 ◆宮吉 拓実(みやよし・たくみ)1992年8月7日、滋賀県生まれ。25歳。京都U―15から2008年に同U―18へ進み、即2種登録されると同年9月21日のG大阪戦でJ史上2番目の早さとなる16歳1か月14日でデビューを果たす。同年10月に高校1年でプロ契約。11年にトップ昇格し、16年にJ1広島へ完全移籍。J1通算39試合7得点、J2通算137試合28得点。U―13から、様々な年代で日本代表歴がある。172センチ、66キロ。右利き。既婚。

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