【札幌】J1再挑戦かける白井が今季クラブ“1号”

スポーツ報知
相手と競り合いながらドリブルするMF白井(左)

 J1舞台を渇望する新戦力が、今季“第1号ゴール”を決めた。沖縄・金武町でキャンプ中の北海道コンサドーレ札幌は19日、今季初実戦となるJ1長崎との練習試合(35分×3)を行い、1―0で勝利。1本目の27分、J2愛媛から完全移籍で加入したMF白井康介(23)が決勝点を挙げた。2015年に湘南でJ1を経験するも、リーグ戦出場がないまま、愛媛に移籍。再び訪れたJ1の新天地で好スタートを切った。

 J1デビューへ、白井が結果で存在感を示した。1本目の27分、右サイドからFW宮吉拓実(25)が出したパスに、ゴール前で反応。「いいボールだったので、合わせるだけだった」と右足で流し込んだ。札幌の今季第1号ゴールに「狙っていたわけじゃないけど、すごくうれしい」と破顔した。

 持ち味を存分に発揮した。右ウィングバックの位置から「持ち味」のドリブルで、相手を再三振り切った。得点シーンは沖縄で繰り返す、カウンターからのダイレクトプレーで生まれた。「連係でいいシーンを作れたので」とミハイロ・ペトロヴィッチ監督(60)の教えをさっそく体現できたことも喜んだ。

 強い思いで札幌にやって来た。2015年、J1に昇格した湘南に在籍したが、リーグ戦出場はかなわず、その年の9月、J2愛媛に移籍した。「J1に対して萎縮していたし、全ての面で足りていなかった」と振り返る。

 しかし愛媛で16年は40試合、昨季は41試合に出場。「試合を経験してサッカーが分かってきて、積み上げてきたものをピッチで出せるようになった」。J1再挑戦を熱望し、決断した札幌移籍。「まだ始まったばかりなので課題も出たけど、キャンプの最初としてはいいスタートを切れた」。J1での“リベンジ”へ、確かな一歩を踏み出した。

 13日のチーム披露イベントの際、チームカラーを問われ、「ラブ&ピース」と珍回答で切り返し、会場を沸かせた。「自然に出た言葉」と笑う明るい性格で「みんな温かいし、いい関係は築けている」とすっかり新天地に溶け込んでいる。チャンスをくれた札幌への「愛」を力にし、J1定着という「平和」な結末へと、白井が導いていく。(砂田 秀人)

 ◆白井 康介(しらい・こうすけ)1994年5月1日、愛知県生まれ。大阪桐蔭高から2012年オフに湘南入りすると同時に、当時JFLの福島へ期限付き移籍。14年湘南に復帰後、15年9月に愛媛に期限付き移籍し、翌16年に完全移籍となった。J2通算91試合出場8得点。165センチ、63キロ。右利き。背番号19。既婚。

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