圧巻の技術、本田圭佑が久しぶりに無回転FK弾を決めた意義

スポーツ報知
本田圭佑

  サッカー、メキシコ1部リーグは3日、各地で行われた。パチューカのFW本田圭佑はホームでモレリアと対戦。チームは2―3で敗れ2連敗となった。

 代表復帰を目指す本田は、FKで見せ場を作った。後半14分、FKのチャンス。ゴールまでは約25メートル。左足で放ったほぼ無回転のシュートは鋭く変化し、相手GKの手をはじいてゴールネットに突き刺さった。

 無回転シュート。かつては本田の代名詞だった。2010年南アフリカW杯1次リーグ第3戦のデンマーク戦(3○1)でも決めている。10年から13年冬まで在籍したCSKAモスクワ時代にも『ブレ球FK』でゴールを量産。ロシアでは「悪魔の左足」とも称されたが、近年は使用する回数が激減していた。

 14年1月、CSKAモスクワからACミランへ移籍。17年5月まで在籍し合計9得点をマークした。そのうち、直接FKでは2得点を挙げたが、ともに鋭く回転をかけたものだった。セリエAでは、1度も無回転FKによる得点を記録していない。

 代名詞を封印した理由は、さらなる進化を求めたからだ。ACミラン時代に「セットプレーの魔術師」の異名を持つジョオバンニ・ビオ氏に特別レッスンを受け続けた。「つきっきりで指導してもらっていた」と本田。目指したのは無回転よりも変化する新兵器を完成させること。練習では主に縦回転FKの習得に全力を注いだ。

 リーグ戦で無回転FKを決めたのは、CSKAモスクワ在籍時の13年以来、約5年ぶりだ。近年は『伝家の宝刀』を抜く機会さえ減っていたが、切れ味は抜群だった。あらゆる弾道のFKを蹴られる技術は、日本人トップレベル。セットプレーのキッカーとしても、日本代表に必要な存在であるとアピールした。

 昨年9月を最後に日本代表から外れている。今月1日に行った会見では「ロシアW杯でプレーするか否かは(ハリルホジッチ)監督による。ただ、もちろんロシアでプレーするために最高の状態を維持していたい」と決意を語った。代表復帰を目指し、全力でアピールを続けていく。

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