【仙台】FW阿部が5戦4発!経験豊富30歳が開幕スタメン近づいた

スポーツ報知
前半40分、先制ゴールを決める仙台・阿部(右)(左は広島・丹羽)

◆練習試合 ▽1試合目 仙台1(1―0、0―0)0広島 ▽2試合目 広島5(2―0、3―0)0仙台(10日、宮崎市・シーガイア)

 J1ベガルタ仙台は2次キャンプ最終日の10日、宮崎市内でJ1広島と45分ハーフの練習試合を2戦行った。1試合目は、韓国Kリーグの蔚山現代から今季新加入したFW阿部拓馬(30)が前半40分に決勝点を挙げ、1―0で勝利した。右太ももの打撲で、前半で交代したが、ここまで出場した練習試合5戦で4得点。開幕スタメン入りへアピールした。メンバーを変えて臨んだ2試合目は0―5で敗れた。

 視界は良好だ。前半40分。3トップの左に入った阿部は、右サイドにいたシャドー(下がりめのFW)のMF野津田岳人(23)が横パスを出し、ワントップのFW石原直樹(33)が広島DFを引きつける動きを見ていた。野津田からボールを受けると、追ってきたDFをかわすようにシュートを放ち、ネットを揺らした。

 「(石原が相手マークから)抜けてくれて、狙い通りにできた」と抜群の連係に笑顔。阿部は前半5分に相手選手との接触で右太ももを打撲し、ゴールを決めた後、大事をとって前半でお役ご免となった。今季出場した練習試合5戦で4得点。前線での存在感が日増しに高まっている。

 今季、韓国Kリーグの強豪・蔚山現代から仙台に完全移籍した。蔚山ではパス技術を買われ、中盤を任されたこともあった。「周りの選手のプレーが見える。それを生かすのも面白い」と視野を広げて前向きにプレーの幅を広げてきた。

 2013年からドイツ2部のアーレンでも2シーズン過ごした。「ドイツや韓国での経験は糧になっていることがありすぎて言葉にするのが難しい。自分の中では整理して最善の方法を出している」。経験値の高さを見せている。

 既にFWの軸の一人になりつつある新戦力に、渡辺晋監督(44)は「点を取る部分は素晴らしい。だが、もっとやれる。もっと要求していきたい」と大きな期待を寄せた。経験豊富な万能FWが新たな得点源になる。(小林 泰斗)

 ◆阿部 拓馬(あべ・たくま)1987年12月5日、東京・小平市生まれ。都立久留米西高を卒業し、法大入学。2010年に東京V入り。13年にドイツ2部アーレン、14年途中から甲府に移籍。16年にF東京、昨年7月に韓国・蔚山現代移籍を経て、今季から仙台に完全移籍。171センチ73キロ。

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