【C大阪】山口蛍、今季1号でまず1冠!3年ぶり主将「大人になった」

スポーツ報知
初優勝し喜びを爆発させるC大阪イレブン(カメラ・清水 武)

◆富士ゼロックス・スーパー杯2018 C大阪3-2川崎(10日、埼玉スタジアム2002)

 天皇杯を制したC大阪が、昨季のJリーグ王者・川崎を3―2で下し初優勝した。前半26分に主将のMF山口蛍(27)が先制ゴールを挙げると、MF清武、新加入のFW高木が続いた。リーグ戦を含めて今季最大“7冠”の可能性があるチームは、まず1冠目を獲得した。川崎は後半ロスタイム、F東京から2季ぶりに復帰したFW大久保が2点目を決めたが、王者の意地を見せることはできなかった。

 勝利の証しであるトロフィーを高々と掲げ、C大阪がJリーグのシーズン到来を告げた。笑顔がはじけるイレブンの中心は、今季から3年ぶりに主将に返り咲いた山口だ。「個人は置いておいて、チームとして良い結果が出て良かった」。チームリーダーの今季1号で幸先の良いスタートを切った。

 迷いなく振り抜いた。前半26分、FW杉本からのパスを走り込みながら中央付近で受け取った山口は、右足で正確に合わせた。「良い形で自分のところに来ました。非常に良い形だった」と話す会心の一撃。前回主将を務めた2015年から、海外移籍や日本代表でも経験を重ねたことで「心境含めて違う。大人になった」と変化を感じている。普段は物静かな性格だが「いろんな人に助けてもらってはいるけど、ピッチの中では引っ張っていこう」と、プレーでチームを先導していく覚悟を示している。この日も攻守で豊富な運動量を見せ、相手の攻撃の芽を何度も摘んだ。

 チームは初出場で初優勝を飾り、賞金3000万円を手にした。昨季はルヴァン杯、天皇杯の2冠を達成し、J1では3位。控えがカップ戦で活躍し、主力組に刺激を与える相乗効果をもたらした。今季も山口を始め、ほぼそのままチームに残ったことが大きい。2点目を決めたMF清武が「この形がベースになればいい」と手応えを口にすれば、日本代表FW杉本も「去年とメンバーが変わっていない分、一人一人気持ちが入っていた」と話す。

 現有戦力に途中出場のFWヤン・ドンヒョンやFW高木の新戦力がうまくかみ合い、2年目を迎えた尹監督も「去年の自信を持ちながら試合ができた。どの選手が入ってもしっかり試合ができる自信がついた」と中3日で対戦するACL(14日・済州戦)に向けて収穫を得た。最大“7冠”の獲得へ、桜の戦士たちの戦いが最高の形で幕を開けた。(筒井 琴美)

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