【札幌】福森のFKがペトロ監督“初タイトル”導いた

スポーツ報知
バンクーバー戦の前半39分、FKを放つDF福森

◆サッカー パシフィック・リム杯最終日 ▽決勝 札幌1―0バンクーバー(10日、アロハスタジアム)

 【ホノルル(米ハワイ州)10日(日本時間11日)=砂田秀人】ミハイロ・ペトロヴィッチ監督(60)の“お気に入り”の一蹴りで、J1北海道コンサドーレ札幌が初代王者に輝いた。MLSバンクーバーとの決勝は後半40分、DF福森晃斗(25)の中央25メートルFKがクロスバーに当たり、こぼれ球をFW内村圭宏(33)が頭で落とし、FW都倉賢(31)が押し込んで決勝点。1―0で勝利した。同監督が浦和を指揮した2016年に直接獲得に乗り出した福森が、昨季より磨きがかかった左足で、ミシャ(同監督の愛称)に札幌での“初タイトル”をもたらした。

 狙い通りの弾道が、札幌を優勝へ導いた。後半40分、中央25メートルからのFK。福森が左足から放ったボールは鋭い放物線を描き、ゴールへ向かって伸びた。クロスバーに阻まれたが、こぼれ球を内村が頭で落とし、最後は都倉が押し込んだ。決勝点につながるキックに、福森は「本当は自分で決めたかったけど、みんなが詰めてくれて、結果になって良かった」と表情を緩めた。

 昨季の3得点はいずれもFKから挙げた。ペトロヴィッチ監督に代わった今季、セットプレーの練習はほとんどしていないが、この日も「前半から感覚が良かった」と話すように、左足には絶対的な自信を持っている。「開幕(24日、アウェー・広島戦)まで残り少ないので、もっとしっかり合わせられるようにやりたい」と、更にレベルを上げていく。

 ペトロヴィッチ監督に代わった今季、中核を成す存在と言える。指揮官が浦和を率いた16年、直接、移籍交渉を受けた。その際は断りを入れたが、今季、札幌でともに戦うことになった。ペトロヴィッチ監督が「FKだけでなく、精度の高いクロスやパスも出せる。視野も広いし、まだまだ伸びしろがある」と口にしたように、評価は2年前よりもむしろ、上がっている。福森自身も「ミシャさんとやることで、間違いなくうまくなれる」。全幅の信頼を置く指揮官の下で、能力を発揮する。

 ハワイ入り後は時差や毎食変わらない食事に悩まされ、体調を崩したりもした。ただ、2次キャンプ最終日に手にしたVに「練習試合で0―4で負けた相手を無失点に抑えられたし、チームの成長を感じた」と手応えを得て、嫌な思い出は吹き飛んだ。13日から始まる熊本での3次キャンプで状態を万全に戻せば、昨季以上の輝きを、福森はピッチで間違いなく見せられる。

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