【札幌】ペトロ監督、黒星発進も手応え「後半は我々が押し込んでいた」

スポーツ報知
広島に敗れ、サポーターにあいさつする札幌の選手たち

◆明治安田生命J1リーグ第1節 広島1―0札幌(24日・エディオンスタジアム広島)

 開幕白星は逃すも、北海道コンサドーレ札幌が今後に期待を抱かせる戦いを演じた。今季初戦は広島に0―1で敗れ、J2だった2016年から3季連続の黒星スタート。前半28分に先制され、後手に回る展開だったが、後半は相手を圧倒。ミハイロ・ペトロヴィッチ監督(60)が進める攻撃的姿勢を押し出し、昨季は常に下回っていたボール保持率も57%対43%と、互角以上の内容を見せた。完封負けで明確となった課題を克服し、次節以降の勝利を目指す。

 最後までゴールを奪えず、喫した3年連続の開幕黒星。新体制初戦は飾れなかったが、誰も悲観してはいなかった。ペトロヴィッチ監督は「内容的には、完封負けに値するような試合ではなかった。後半は我々が相手を押し込んでいたし、選手は全力で戦ってくれた」と前向きな姿勢を崩さなかった。

 前後半の“ばらつき”が明暗を分けた。開始から広島にゴールを脅かされた。ペトロヴィッチ監督が「慎重に入りすぎたのか、怖がりながらのスタートに見えた」と言ったように、決定機を作られ続け、前半28分に失点した。

 後半は一転、敵陣で攻勢に出続けた。MF駒井善成(25)は「前半は前と後ろが5人と5人に分かれ、セカンドボールを拾えなかったが、後半はボランチが一つ前に出たことで、相手をフリーにさせなかった」と、その要因を振り返った。後方からの組み立てが安定し、昨季は相手を上回ることのなかったボール保持率は57%対43%と勝り、シュート数でも14対12と上回った。始動から約1か月半、ペトロヴィッチ監督が「時間も必要になる」と話す守備型から攻撃型への大幅なシフトチェンジだが、着実に進行していることは、この日、示すことができた。

 見せ場こそ十分だったものの、勝ち点0に終わった結果には当然、納得などしていない。主将のMF宮沢裕樹(28)は「自分たちが保持する展開になっても、崩し切れなかったのは課題」と決定力向上の必要性を口にし、駒井は「守備からしっかり入る形を最初からやらないと」と、目指す形を90分、やり続けられなかったことを悔いた。修正箇所は明確となった。改善を図り、新生札幌が改めて、初勝利を目指す。(砂田 秀人)

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