静岡ダービーを制するのはチーム最年長か、ベテランコンビか…7日ルヴァン杯

スポーツ報知
真剣な表情で練習する清水・西部(左)と、激しい雨の中、練習する磐田・太田

 静岡ダービー第1ラウンド、ゴング―。J1清水エスパルスとジュビロ磐田は7日にルヴァン杯で対戦(午後7時、アイスタ)する。5日、清水は三保で、磐田は大久保で調整。清水はGK西部洋平(37)が16年4月3日のJ2熊本戦以来、公式戦703日ぶりに先発する可能性が浮上。チーム最年長が宿敵を封じる。リーグ開幕連敗で無得点の磐田は、MF太田吉彰(34)とMF松浦拓弥(29)のベテランコンビが1号を狙い今季初勝利を目指す。(武藤 瑞基・山田 豊)

 プロ20年目、J1通算298試合出場のベテランが少年のように目を輝かせて言った。「個人的に重要な試合。楽しみですね。“俺もいるぞ”って所を見せたい」と西部。ヤン・ヨンソン監督(57)はこの日、複数ポジションでリーグ戦からの先発入れ替えを示唆。西部が今季初ダービーで起用される可能性が高まった。

 長い道のりだった。一昨年4月の熊本戦で右大腿(だいたい)直筋を肉離れ。一時合流したものの再発して6月末に再離脱。リハビリ中に同箇所の筋腱損傷を併発し、9月には手術に踏み切った。昨年4月に合流するも、同月末に左太もも裏を肉離れ。10月以降リーグ戦のベンチ入りは果たしたが、出番はなかった。

 「こんなに試合に出ないのは初めて」だが「不安は全くない。ここにかける思いは強い」。昨季は副将として残留争いの佳境に選手ミーティングの音頭を取るなど、まとめ役として奮闘。今季は大きな故障もなく、始動から順調にコンディションを維持している。

 清水の一員として出場した磐田との公式戦は過去17戦6完封。「いいイメージしかない」と力を込める。チームは昨季、ダービー3連敗。さらに今年1月の「スポーツパラダイス」(静岡朝日テレビ)の企画「新春釣り対決」では、自身は3匹ゲットするもDF桜内ら磐田勢に惜敗した。チーム屈指の太公望は「絶対に(連敗を)止めて、ここから連勝していく」とリベンジを誓った。ビッグセーブで白星を“一本釣り”し、完全復活を証明する。

 磐田の太田と松浦は豪雨を切り裂き、前へと走り抜けた。5日に磐田市内で行われた10対10に攻撃方に加わるフリーマンをつけた練習。2列目に入った太田はサイドから好機を演出した。フリーマンの松浦はドリブルで攻め上がり、思い切り右足を振り抜いた。

 太田は昨季公式戦わずか14戦出場で無得点。今季初出場へ「ルヴァン杯のスタートでもあるし、絶対に勝たないといけない」。磐田ユース出身で静岡ダービーへの思いも強い。チームはリーグ戦開幕2連敗中で無得点。太田は「状態は良い。クロスとゴールに向かう姿勢を出していきたい。チームに必要なのは得点」と“1号”へ闘志。松浦は名古屋戦(3日、0●1)で今季初出場。かねてより「今季チーム初得点をとれればいい」と話しており、ゴールへの思いは強い。

 清水は37歳GK西部のスタメン出場が有力。太田は川崎MF中村憲剛(37)と浦和MF阿部勇樹(36)とともに名を挙げ「西部さんはもちろん、ベテランが元気なチームは強い。自分も頑張る」と役割は理解している。豊富なキャリアを持つ生え抜きコンビが磐田を救う。

サッカー

×