【札幌】無得点で連敗 公式戦5戦未勝利もペトロ監督「哲学曲げるつもりない」

スポーツ報知
前半、主審に抗議する札幌・ペトロヴィッチ監督(中央、左は四方田コーチ、右は白井)

◆YBCルヴァン杯グループステージ第2節 ▽B組 札幌0―1磐田(14日・札幌ドーム)

 J1北海道コンサドーレ札幌の今季初勝利はならなかった。B組で、ホーム・磐田戦は後半13分に喫した失点を返せず、0―1で敗れた。

 札幌での初白星に強い意欲を示していたミハイロ・ペトロヴィッチ監督(60)だったが、再三の見せ場は作ったものの、無得点に終わり、連敗。今季は公式戦5戦で1引き分け4敗の苦境脱出へ、2週間の中断前最後の戦いとなる18日ホーム・長崎戦で、勝ち点3をつかむ。

 もどかしさは感じつつも、ブレることはなかった。磐田に敗れ、開幕から1引き分け4敗と、またも札幌が白星を逃した。「非常に結果は悪い」と漏らしたペトロヴィッチ監督だったが、こう続けた。「だからといって哲学を曲げるつもりはない。やってきたことをやり続けることが明るい未来につながる」。しっかりと前を見て、そう胸の内を口にした。

 決して強がりではない。シュートわずか2本に終わった前半から一転、後半開始から攻勢に出た。3、4分とMF宮吉拓実(25)が立て続けにシュートを放ち、相手ゴールに迫った。「ボールのないところで顔を出していけば、ああいう場面は増やせる」と宮吉が言ったように、後半は11本ものシュートを放った。ペトロヴィッチ監督が推す「魅力ある攻撃型のチーム」へと変貌(へんぼう)していることは、確実に見せている。

 善戦を勝ち星へと変えるためには、個々の更なる成長からの、組織力向上が不可欠になる。その一因となり得る新たな好材料も、この試合で出た。昨年11月に右足甲を骨折したMF荒野拓馬(24)が、復帰後初めて、フル出場した。「イージーなミスが多すぎた」と反省が真っ先に口をついたが、ボランチの位置で持ち味の運動量と推進力を発揮。「自信を持ってやるのがいいと分かった」と手応えを得る90分となった。

 ペトロヴィッチ監督も18日のホーム・長崎戦での起用を示唆した荒野の復調は、チームにとって大きな利となる。「敗れたが、素晴らしい試合を見せてくれた」と振り返ったペトロヴィッチ監督の思いは、長崎戦での今季初勝利という形で示す。(砂田 秀人)

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