【F東京】久保の最年少弾で今季初勝利 16歳9か月、リーグ杯記録更新

スポーツ報知
後半31分、ルヴァン杯史上最年少となるゴールを決めるF東京・久保(カメラ・川口 浩)

◆YBCルヴァン杯グループステージ第2節 ▽A組 F東京1―0新潟(14日・味の素スタジアム)

 A組のF東京は、FW久保建英(16)のトップチーム初得点で新潟に1―0で勝利した。

 後半25分から右MFで途中出場すると、同31分にペナルティーエリア左から左足で決勝点をマーク。16歳9か月10日での得点となり、05年に東京VのFW森本貴幸が16歳10か月12日で挙げたリーグ杯最年少記録を更新した。チームも今季公式戦5戦目で初勝利となった。

 感情を爆発させた。待望の初ゴールを挙げた久保は、サポーターの待つゴール裏へ駆け出すと、勢いよく左拳を突き上げた。「いやぁ、今までの人生の中で一番うれしいです」。トップチームの公式戦初得点より、ルヴァン杯最年少得点より、自らのゴールでチームが今季初勝利を挙げたことが何よりもの喜びだった。

 その時が訪れたのは0―0で迎えた後半31分。FWディエゴオリベイラのパスを受けると、4人の間をドリブルですり抜け、ペナルティーエリア左に進入。左足から放たれたグラウンダーの強烈なシュートが対角線のネットへ突き刺さった。「あそこは自分の得意なコース。思い切って打ててよかったです」。この決勝点により、公式戦5戦目で就任後初勝利を挙げた長谷川健太監督(52)は「あの場面で枠に飛ばせてゴールを取れるのは大した選手」と絶賛した。

 この試合まで、今季の公式戦全4試合に起用されながらノーゴール。相手にもしっかり対策され、自分のプレーを披露できていなかった。にも関わらず、16歳という年齢で注目されることに「プロになった以上、年齢は関係ない。結果も残していないのに騒がれるのは嫌」と漏らすこともあった。

 刺激を受けたのが“戦友”たちの活躍だ。昨年のU―17W杯(インド)で共に戦った1歳上の名古屋DF菅原とG大阪FW中村が、今季自身より一足先にリーグ戦で先発出場。「チームの競争がある中で試合に絡んでいるのはすごい。一緒にやった仲間が何人も何人も出ているのはうれしい」。仲間に負けじと、再び久保建英の価値を証明してみせた。

 昨年5月3日のルヴァン杯・札幌戦でトップチームデビューを果たしてから10か月、今やチームに欠かせない存在にまで成長した。次はリーグ初得点の期待がかかる。「今日をきっかけにどんどん上に行けるように頑張りたい」。末恐ろしい16歳にはまだまだ通過点に過ぎない。(井上 信太郎)

 ◆建英に聞く

 ―トップチーム初得点。

 「今季のチーム初勝利、個人としては初ゴール。いい形で試合を終えることができたと思います」

 ―ゴール場面を振り返って。

 「最初に高萩選手がボールを持って前を向いたときに、そうなると思っていた。自分はあの形が得意だと思っているので、どんどんあの形でフィニッシュに持っていければいいなと思います」

 ―ゴール裏に走っていった時の気持ちは。

 「うれしかったというのと、いろんな方の期待に応えられてよかったという気持ちでした。味の素スタジアムでは初めてのゴール。何回も決められればと思うのでこれからも貪欲にやっていきたい」

 ―チームの勝利に直結した。

 「プロの世界でやっているのであれば勝たないと意味がない。そこは自分だけではなく、プロでやっている全選手が勝ちにこだわっているので見失わないようにしている」

 ◆久保のプロ公式戦デビューからの歩み

 ▽16年11月5日 J3長野戦(駒沢)に、15歳5か月1日でJリーグ史上最年少出場。

 ▽17年4月15日 J3のC大阪U―23戦(長居)で、15歳10か月11日でJリーグ最年少得点をマーク。

 ▽5月3日 ルヴァン杯・札幌戦(味スタ)でトップチームの公式戦デビュー。

 ▽5月 韓国で行われたU―20W杯に飛び級で出場。

 ▽10月 インドで行われたU―17W杯に出場。

 ▽11月1日 プロ契約。

 ▽11月26日 広島戦(Eスタ)で16歳5か月22日でJ1デビュー。

 ▽18年3月7日 ルヴァン杯・横浜M戦(ニッパツ)でトップチーム初先発。

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