【札幌】ペドロ監督、劇的1勝 後半49分V弾でJ1での200勝飾る

スポーツ報知
後半ロスタイム、決勝ゴールを決め両手を上げて喜ぶチャナティップ(中)

◆明治安田生命J1リーグ第4節 札幌2―1長崎(18日・札幌ドーム)

 北海道コンサドーレ札幌のミハイロ・ペトロヴィッチ監督(60)が、劇的な幕切れで、札幌指揮官としての初白星を手にした。ホーム・長崎戦は1―1で迎えた後半49分、DF福森晃斗(25)のFKからFWジェイ(35)が頭で折り返したボールを、MFチャナティップ(24)がヘディングで押し込み、2―1で競り勝った。「攻撃こそ最大の防御」と、キャンプから植え付けてきた攻めの姿勢を貫き、ミシャ(監督の愛称)が公式戦6戦目で新たな札幌の形を体現、J1通算200試合目を勝利で飾った。

 握りしめた両拳を、高々と突き上げた。札幌指揮官としての初勝利に、ペトロヴィッチ監督は興奮を抑えることなく、雄たけびを上げながらスタッフらと抱き合った。ロスタイム掲示で示されたと同じ4分ギリギリに、チャナティップのヘディングシュートが決まった。試合終了間際の劇的弾で、ついに手にした勝ち点3。「絶対に勝つんだという強い気持ちを、プレーで見せ続けたことが最後につながった」と、自身の大原則の一つ「戦う」を実践し続けて出した結果を喜んだ。

 ブレずに貫き通した哲学が実った。キャンプから取り組んできたのは、GKを含めた後方からのつなぎ。勝てなかった試合では、その過程で失点もしたが「今まで指揮したチームでも最初はミスが多かったが、試合をするごとに少なくなった。今は学んでいる段階」と、そこを責めはしなかった。長崎戦のボール保持率は60%。広島や浦和を上位に押し上げた将来につなげるタクトを振り、白星をつかんだ。

 采配でもミシャの教えがさえた。1―0の後半33分、FW都倉を投入した。「1点を守る選択肢はなかった。守りに入っては、押し込まれて追いつかれるもの。私は、攻撃こそ最大の防御と思っている」。その後、同点に追いつかれたが、その起用が生きた。決勝点の場面、FKを蹴った福森は「都倉さんに、相手の高いDFがついていたので、ジェイに蹴った方が競り勝つ確率が高いと思って狙った」と振り返った。貫き通した攻撃姿勢が最後の一押しとなった。

 守備型から攻撃型への変換を図る今季。方向性の正しさを皆が確信するために、何より結果が欲しかった。「自信を深めることができた、今後につながる勝利」。ミシャの言葉通り、J1定着への新たな一歩が、踏み出された。(砂田 秀人)

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