【G大阪】5戦勝ちなしに不吉なデータ…J2降格の12年に酷似

スポーツ報知

◆明治安田生命J1リーグ第5節 F東京3―2G大阪(味の素スタジアム)

 G大阪はF東京に2―3と敗れ、開幕から5戦勝ちなしとして最下位から抜け出せなかった。5試合で1分け4敗。第4節で引き分けたが再び第5節で敗戦という星の並びは、J2降格した2012年と同じ状況となった。

 この試合では緊急補強した元U―20ブラジル代表MFマテウスが初先発。低迷するチームの起爆剤として獲得された大型ボランチのデビュー戦となったが、立ち上がりにセットプレーなどからあっさりと2失点を喫した。しかし前半終了間際、左MFで先発に抜てきされたMF井出が縦パスをエリア内で受けると、F東京MF高萩に倒されてPKを獲得。これをFW黄義助が「本来キッカーは遠藤選手ですが、蹴りたいと話して譲ってもらった」と、きっちりと決めて1点差とした。

 さらに後半13分、負傷交代したDF藤春に代わって途中出場したU―21日本代表DF初瀬のクロスを、再びFW黄が頭で合わせて同点に。このまま勢いに乗って逆転といきたいところだったが、自陣右サイドからのクロスをF東京FWディエ・オリベイラに決められて決勝点を献上。オリベイラのマークを外してしまった初瀬は「アシストできたことはよかったけど…失点は自分の責任」と悔やんだ。

 攻撃面では井出が守備網の間でパスを受けてアクセントとなり、マテウスも技術の高さをうかがわせるボールさばきをみせるなど、ポジティブな面もあった。しかし立ち上がりの2失点を、レヴィー・クルピ監督(65)は「集中力の問題」と嘆いたように、守備の緩さが現在の状況を招いている。抜群の守備力を誇るMF今野が負傷離脱で不在の中、中盤のフィルター役を期待して獲得したマテウスが、守備では目立つプレーが少なかったことも気がかりだ。

 ここまで5試合で11失点は、現時点でリーグ最多。一方で2試合連続の2ゴールで今季4得点としたFW黄が得点ランキングのトップタイに立ち、チームも6得点を奪っている。実はこの数字も、開幕5試合で12失点6得点だった12年と似ている。最終的にリーグ最多の67得点を奪ったが、65失点(ワースト2位)でJ2降格を味わった12年。G大阪の“黒歴史”と言える12年を経験したMF倉田は「前(降格)を経験していることが、今回は違う。同じことを繰り返すわけにはいかない」。過去の苦い経験を生かし、チームを立て直すことを誓っていた。

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