【札幌】“鬼門”カシマで初勝ち点1

スポーツ報知
前半3分、ヘディングシュートを放つFW都倉(左から2人目)

◆明治安田生命J1リーグ第5節 鹿島0―0札幌(31日・カシマスタジアム)

 北海道コンサドーレ札幌が、“鬼門”で初勝ち点を挙げた。アウェー・鹿島戦は前半1分、FW都倉賢(31)のシュートがクロスバーをたたくなど、開始から押し気味に試合を進めたが、ゴールを奪えず0―0で引き分けた。白星は逃したものの、昨年まで6戦全敗だったカシマスタジアムで初めて勝ち点を手にした。難敵相手に堂々の戦いぶりを見せた札幌だが、誰一人満足することなく、更なる成長を胸に期した。

 黒星続きだったスタジアムで、初めて勝ち点を手にした。だが、札幌の誰一人として、納得している者はいなかった。序盤からチャンスを作り、敵陣に攻め入りはしたが、6戦6敗だったカシマスタジアムでまた勝てなかったことが、イレブンから笑顔を消した。右ヒラメ筋肉離れから3試合ぶりに復帰したMF宮沢裕樹主将(28)は「勝ちに値するゲームはできたが、決めきれないのは詰めの甘さ」と無得点の結果を悔いた。

 右太もも裏痛のジェイに代わり、1トップは今季リーグ戦初先発の都倉が務めた。5戦目で初めてメンバーが代わった前線のトライアングルが、存分に機能した。MF三好康児(21)が「自分に相手のマークが思ったよりついてくれて、そのぶん、スペースが空いたので、やりやすかった」と言ったように、相手DFの裏を巧みにつき、決定機を作った。

 ミハイロ・ペトロヴィッチ監督(60)は「誰が出てもやれるようにトレーニングしている」と、チームの全体の底上げを図ってきた。その教えを“鬼門”だったピッチでしっかりと発揮できたからこそ、勝ち点奪取につなげることができた。

 ペトロヴィッチ監督が「鹿島は強いチームだが、今日は我々が上回れた」と口にしたよう、堂々の内容で勝ち点1の上積みはできた。ただ、J1定着を目指す今年、その結果に浮かれてはいない。MF駒井善成(25)は「もったいない試合。勝ち点2を落としたとも言えるのだから、ここで満足しちゃいけない」と表情は険しいままだった。目標達成へ、引き分けも糧とするだけの高い志が、今年の札幌にはある。(砂田 秀人)

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