【磐田】荒木がロスタイム弾含む2発で首位タイに 敵将に「きつい恩返しをしてしまった」

スポーツ報知
後半ロスタイム、劇的な決勝弾を決めた荒木(中)

◆YBCルヴァン杯グループステージ第3節 ▽B組 磐田3―2甲府(4日・ヤマハスタジアム)

 磐田は、ここまでGS首位のJ2甲府に0―1の後半9分、MF山本康裕(28)の今季初得点で同点。その後再びリードされたが、途中出場のMF荒木大吾(24)が同41分、同ロスタイムに2発沈め、試合を決めた。劇的勝利でGS首位タイに立った磐田は清水と、7日のリーグ戦第6節で今季2度目の『静岡ダービー』を迎える。

 右足に苦しかった思いを込めた。2―2の後半終了間際、MF荒木は右足を思い切り振り抜き、甲府ネットに突き刺した。逆転だ。ベンチに駆け寄ると、イレブン、ベンチ入り選手、そしてスタッフに歓喜の輪が広がった。「ヤマハで決められて良かった」と感慨にふけった。

 1―2の後半19分に途中出場した。同41分に右足を振り抜き、プロ初ゴールの同点弾は「ラッキー」。昨年8月のC大阪戦で右腓骨骨折しシーズンを棒に振った。後半9分に1―1に追いつく左足弾を放ったMF山本も昨年4月のリーグ・札幌戦で右ひざを大けが。フル出場したFW小川航は315日ぶりの先発で昨年5月のU―20W杯で左ひざを大けが。昨夏以降は“リハビリトリオ”として励まし合ってきた。荒木は「一体感を感じた」と話す。

 甲府の吉田達磨監督(43)は小6から知る間柄だ。荒木が柏U―15時代、柏U―18監督だった吉田監督に直接指導されたことはないものの、「達磨さんが柏U―18に上げてくれた。きつい恩返しをしてしまった」と苦笑いした。

 チームは清水、甲府と並びGS首位となった。3日にMFムサエフが右ひざ前十字靱帯損傷で練習合流まで6か月以上と診断された暗いニュースも吹き飛ばす大逆転劇。苦難を乗り越え、ジュビロは前へと進んでいく。(山田 豊)

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