【浦和】新監督&初3バック&初無失点でリーグ戦初勝利

スポーツ報知
前半5分、興梠(中央)が先制ゴールを決めて喜ぶ(左は柏木、右は菊池)

◆明治安田生命J1リーグ第6節 浦和1―0仙台(7日・埼玉スタジアム)

 浦和はホームで仙台を1―0で下し、今季初白星を挙げた。2日に堀孝史前監督(50)が解任され、育成ダイレクター兼ユース監督だった大槻毅監督(45)が暫定的に指揮して初のリーグ戦は、適材適所の3バック布陣を今季初めて導入。前半5分にエースFW興梠慎三(31)が先制し、今季初の無失点で復調のきっかけをつかんだ。

 はね返しても攻められる苦しい時間帯が続いていた後半30分、浦和の日本代表DF槙野はピッチ脇の大槻監督に相談した。「どうしましょう」。守備などの共通認識を作ろうとしたが「耐え抜かないと、これまでと一緒だぞ」と発破をかけられた。前節と前々節はともに後半36分に決勝点を奪われ連敗。「ここでやらなきゃ男じゃない」。槙野は指揮官の言葉をピッチ上のイレブンに伝えた。戦う姿勢を表現し続け、無失点で乗り切った。

 オールバックの指揮官はJ1初勝利の会見で選手を称賛した。「このスタジアム、このタイミングで戦えなければ、この先ずっと戦えない。選手は全員戦ってくれた」。2日に暫定監督に就任するとクラブスタッフ、サポーターの思いを背負う大事さを説き、戦うことを植え付けてきた。個別アドバイスも欠かさず、槙野と遠藤が攻守に力を発揮した。

 今季初の3バックは論理的に導き出した。「仙台さんの戦い方と僕らの戦力を比べ、これが一番いいんじゃないか」。3バックの仙台は前節、同じ3バックの長崎に1―0で勝利したものの苦しんだ。相手対策に加え、自分たちの強みも出した。2トップにすることで連係が向上し、前半5分に武藤のパスを受けた興梠が、仙台戦5試合連続得点を決めた。

 4日のルヴァン杯・広島戦(0△0)と仙台戦で負傷離脱以外のフィールド選手が全員起用され一体感も強まった。リーグ戦の白星は昨年10月29日の広島戦以来9試合ぶり。開幕から6試合未勝利のクラブワースト記録も回避した。柏などを指揮したスポルチ・レシフェ(ブラジル)のネルシーニョ監督との交渉は不調に終わり、鹿島で3連覇したアトレチコ・ミネイロ(ブラジル)のオリヴェイラ監督が候補に浮上している。後任監督にいい流れでバトンタッチするため、全力を尽くす。(羽田 智之)

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