韓国代表の“ビーナス”MFイ・ミナ、なでしこリーグでも輝く

スポーツ報知
女優チェ・ジウ似のルックスのINAC神戸のイ・ミナ(カメラ・馬場 秀則)

 なでしこリーグ1部・INAC神戸に今季、キュートな新戦力が加わった。韓国代表MFイ・ミナ(26)は女優チェ・ジウ似の清楚(せいそ)なルックスの持ち主で、母国では「ビーナス」と呼ばれている。現在は来年フランスで開催される女子W杯の出場権を懸け、ヨルダンでの女子アジア杯に参戦中。実力と美貌を兼ね備えたトップ選手はなぜ日本でプレーすることを選んだのか。好きな男性のタイプや私服へのこだわりなど、素顔にも迫った。

 昨年12月に日本で開催された東アジアE―1選手権では、韓国代表としてなでしこジャパンと対戦し、テレビ中継を見た視聴者の「かわいすぎる」という声がインターネットをにぎわせた。注目度の高さにも、当の本人はいたって謙虚だ。

 「何で私が大きい記事になるんですか? 日本で人気ありますか? 知らなかったです。珍しいですよね」

 韓国では代表の常連となったが、今季から活躍の場を日本に移した。

 「韓国リーグとの兼ね合いなどで、今まではタイミングが合わなかったんです。今年から韓国でFAの立場になって、その段階でINAC神戸から良いオファーがあったので決めました」

 初の海外挑戦だが、決断は早かったという。

 「すぐでしたね。海外のリーグを経験したい気持ちがあったし、なでしこリーグで1回はやりたい気持ちもあったので。自分自身のためでもあるし、韓国の女子サッカーの未来のためでもあると思っています」

 日本と韓国、女子サッカーを取り巻く環境の違いには、驚くことも多い。

 「1番はお客さんがとても多いこと、2番目は試合後に観客の前でインタビューがあること、3番目は試合の日に試合だけじゃなくていろんなイベントがあることです。雨の日は、本拠地ノエビアスタジアム神戸の屋根が閉まることにも驚きました。韓国でもお客さんはいますが、大きい声で応援するのは日本の方が多いです」

 新チームでプレーして間もないが、日本での生活は自身の「成長」にピッタリだともいう。

 「日本で生活する上での気持ち的なこと、日本語や日本の文化などいろんなことを勉強できたので、もっと大人になれると思います」

 サッカーを始めたのはスカウトされたのがきっかけだ。

 「小学校3年の時にクラス対抗でサッカーの試合があって、それを見た監督から誘われたのがきっかけです。それまではあまり活発なタイプではなかったんですが、サッカーを始めてから元気になりました。サッカーが私を変えてくれましたね」

 現在はINAC神戸を離れ、韓国代表として女子アジア杯に出場している。出られれば自身初となるW杯の大舞台へ。意気込みは十分だ。

 「下の年代でのW杯は経験があるんですが、FIFAのW杯は経験がありません。選手という立場だったら、出るのは光栄で大事なことです。必ずW杯に行きたいので、そのためのチケットを取れるように頑張ります」

 新天地に選んだ日本は以前も旅行で訪れたことがあるという。お気に入りは食の豊かさだ。

 「日本はおいしいものがいっぱいあります。たこ焼き、うどん、もんじゃ焼き、焼き鳥、カレー、おすし…思い出したら食べたくなってきました(笑い)。これまでの旅行も食べ歩きがメインでした。(現在も)オフがあれば家でゆっくりしていますし、おいしいものを食べることが一番のリフレッシュです」

 音楽を聴くことも好きだ。

 「日本の音楽はまだ聴いたことがないです。INACに入ってから、ほかの選手が音楽を聴くじゃないですか? 隣で聴いていたら良いメロディーの音楽もありそうだったので、これから興味を持っていきたいです」

 日本では初めての一人暮らしにも挑戦中。料理はなかなかの腕前だといい、栄養管理にも余念がない。

 「炭水化物とご飯は必ず取るようにしています。お肉は好きですし、できれば量を取るように意識しています。キムチチゲやジェユポックン(豚肉と野菜を辛口のタレで炒めたスタミナ料理)はよく作りますね。料理は子供の頃に母親から教えてもらいました」

 インタビューには試合後だったこともありラフな服装で現れたが、自身のインスタグラムには私服写真も多数公開している。いずれも「かわいい」と好評だ。

 「自分が着てみたい服は、必ず買って着てみます。女の子らしい服から楽な服まで、ジャンルはバラバラです」

 試合中は長い髪を一つに束ねてプレーする。きれいな黒髪と白い肌はビーナスのトレードマークだ。

 「あまり特別なケアはしていないんですよ。そのための時間も全然かけていないです。髪の毛は昔はミディアムでしたが、運動する時にくくることができて便利なので、伸ばすようになりました」

 好みの男性像も明確。ズバリ、イケメンが好きだ。

 「かっこいい男性が好きです。韓国の俳優なんですけど、ソ・ジソブとかキム・ウビンなんかはファッショナブルで、背も高いのでかっこいいです。他にはファン・ジョンミンも好きです。日本の芸能人に関してはまだ分かっていませんが、やっぱり雰囲気がかっこよくて、男前な方が理想です」

 結婚、そしてその後の人生と、未来の予想図もしっかり描いている。

 「今は何歳と考えてないですが、結婚は30歳を超えてからしたいです。出産したらサッカー選手はできないし、第二の人生を考えたら30歳を超えたぐらいになるんじゃないかと思っています」

 インタビュー中は「お願いします」「大丈夫です」など、流暢(りゅうちょう)な日本語でも話してくれた。現在は週に1回、語学学校に通って勉強中。来日して間もないが、毎日チームメートの会話を耳にしていることもあり、上達は早いという。

 「日本語はめっちゃ、面白いです。来る前は分からなかった分、毎日勉強して徐々に知識が増えることだけでもうれしいです」

 大きく澄んだ目、はにかむようなしぐさ…。同性にも「かわいい!」と思わせる雰囲気がある。本人は「全然そんなことないと思います」と否定。本音はやはり、サッカー選手としての誇りがある。

 「韓国にはファンクラブもあるので、注目してくださって感謝の気持ちはあります。でも、自分の気持ちとしてはサッカーをうまくできる、選手としての『イ・ミナ』にもっと注目してほしいです。好きなプレーは速いテンポの攻撃サッカー。突破力もありますし、そういうプレーを見てもらいたいと思っています。応援よろしくお願いします」

 プレー中は真剣な表情で強気なプレーを見せるが、ピッチを離れればどこにでもいる26歳。そのギャップも“ミナちゃん”の魅力の一つだろう。美と技の二刀流で、なでしこリーグを大いに沸かせてもらいたい。(ペン・筒井 琴美)

 ◆オフショットは自撮り写真を公開

 イ・ミナのインスタグラムが「かわいすぎる」と評判だ。71万人のフォロワーに、プライベートのオフショットや自撮り写真を公開。@mina_world_で検索できる。

 ◆イ・ミナ(李 ミン娥)1991年11月8日、韓国生まれ。26歳。2008年にU―17、10年にはU―20の代表として国際舞台を経験。永進専門大から11年に現代製鉄レッドエンジェルズに入団し、12年に初めてフル代表に選出された。17年には大韓サッカー協会賞の女子MVPに輝くなど、韓国女子サッカーの中心的存在。今季、INAC神戸入りした。愛称は「ミナちゃん」。158センチ、50キロ。独身。

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