【浦和】興梠が2発で3連勝 代表復帰については「そこは目指してない」

スポーツ報知

◆明治安田生命J1リーグ第8節 浦和2―1清水(15日・埼玉スタジアム)

 浦和はホームで清水と対戦し、FW興梠慎三(31)が2得点し、2―1で3連勝を飾った。4月に入って4試合4得点。昨年11月の欧州遠征を最後に遠ざかっている日本代表入りは意識していないが、コンディションの向上など6年連続2ケタ得点の実力者に追い風が吹いてきた。

 浦和のエースが2度、左胸のエンブレムにキスをした。前半23分のMF菊池の左クロスと、同29分のMF橋岡の右クロス。ボールが入ってくる絶妙のタイミングで相手DFの背後を取るなど視界から消え、素早いヘディングシュートを立て続けに決めた。この日のシュートは2本だけ。100%の決定力を見せた。

 「個人で打開できるタイプではないので、チームみんなで勝ち取った得点だと思う。チャンスというチャンスは少ないので、一つのチャンスをものにしたいと思っていました。自分は低い方なのでいろいろ工夫する必要がある」。175センチと大柄ではないが、駆け引きと動きの質で制空権も握った。

 開幕時は、ACLを制し、クラブW杯にも出場したハードな昨季の影響もあり、痛みを抱える左膝は万全ではなかった。「100%じゃないけど徐々に徐々に上がってきている」。今月1日の磐田戦で今季初得点してから4試合4得点と量産し、チームも3連勝を飾った。

 日本協会の関塚隆新技術委員長(57)が視察に訪れた。日本代表はハリルホジッチ前監督(65)から西野朗監督(63)に交代し、メンバー選考も変わる。ブラジル戦、ベルギー戦で出番がなかった昨年11月の欧州遠征を最後に招集されていない代表について、「そこは目指してない。チームで点を取り、チームを上位に導くことが自分の役割です」。仮定の話より、実際にプレーしているチームに責任を果たすスタイルは崩さない。

 6年連続2桁得点。この日の2得点で6年目の浦和で公式戦通算101得点になった。気の利いた前線からの守備ができ、周囲を生かせる。ペトロヴィッチ元監督(現札幌監督)ら数多くの指揮官に愛されてきた。浦和の次期監督就任が確実な元鹿島監督のオズワルド・オリヴェイラ氏(67)もその一人。主力へ導いてくれた恩師であり、さらなる成長を促してくれる。上昇気流は吹いてきた。興梠がW杯メンバーに不可欠なストライカーとなる可能性は膨らむ。(羽田 智之)

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