【甲府】吉田監督、16位低迷で退任へ 後任は上野氏が有力

スポーツ報知
28日の千葉戦に引き分け、肩を落としながらベンチへ向かう甲府・吉田監督

 J2ヴァンフォーレ甲府の吉田達磨監督(43)が成績不振により退任し、後任にJ2山口などを率いた経験のある上野展裕氏(52)が有力候補に挙がっていることが29日、分かった。

 6年ぶりのJ2となった今季は開幕から苦しみ、2勝5引き分け4敗の勝ち点11で16位と低迷している。ホームではさらに苦戦続きで、28日の千葉戦でも終了間際に失点して1―1のドロー。開幕から5試合未勝利は、J2に参入した1999年(5連敗)に並ぶクラブワーストタイとなった。

 千葉戦後、クラブの佐久間悟・代表取締役GM(54)は「内容は悪くなかった」など評価するコメントも残していたが、関係者によると、その後に幹部が話し合い、指揮2年目だった吉田監督の交代を決断したという。

 関係者によると、後任は上野氏が有力だ。現役時代は主にDFとしてJ1広島などでプレーし、1994年に引退。育成年代の指導者やトップチームのコーチなどを歴任し、2009年には、現在J2の金沢の監督に就任。初年度で地域リーグからJFLに昇格させた。

 また、14年に山口の指揮官に就任すると、こちらも初年度でJFLからJ3昇格に導いた。さらに翌年は、36試合で96得点と圧巻の攻撃陣を率いて首位を独走し、昇格元年VでチームをJ2に導いた。甲府は今季11試合9得点で、リーグワースト3位と、決定力不足が深刻だけに、アグレッシブな姿勢を取り“昇格請負人”とも言える上野氏の手腕に期待しているようだ。また、他の候補としては、伊藤彰ヘッドコーチ(45)=同右下=の内部昇格も検討されているという。新指揮官は近日中に正式発表される見込みだ。

 ◆吉田 達磨(よしだ・たつま)1974年6月9日、埼玉県生まれ。43歳。東海大浦安高から柏に入団。現役時代は京都、山形などに所属。引退後は2003年から柏の下部組織でコーチ、監督などを歴任。15年は柏のトップチームを指揮。16年は9月まで当時J1だった新潟の監督を務め、昨季から甲府の監督に就任した。

 ◆伊藤 彰(いとう・あきら)1972年9月19日、埼玉県生まれ。45歳。武南高、国士舘大を経て富士通(現・川崎)入りし、社員選手として活躍。2002年に大宮に移籍してプロに。鳥栖や徳島を渡り歩き、07年1月に引退。大宮の下部組織でコーチや監督を歴任。17年には5月~11月にトップの監督も務めた。18年から甲府のヘッドコーチ。

 ◆上野 展裕(うえの・のぶひろ)1965年8月26日、滋賀県生まれ。52歳。膳所高、早大を経て88年に全日空に入団。91年にマツダ(現・広島)に移籍、94年に現役引退。トップチームのコーチなどを歴任し、2009年に金沢の監督に。12年には当時J1の新潟で、暫定的にトップチームの指揮を執った経験もある。14年から山口の監督に就任。17年シーズン中の5月に退任した。

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