【宏太’Sチェック】チャナティップは“ボールの置き所”に工夫を

スポーツ報知

◆明治安田生命J1リーグ第11節 仙台2―2札幌(28日・ユアテックスタジアム)

 仙台戦は10人になりながらも、よく勝ち点1を取ってくれた。最後に追い付かれはしたが、悲観する内容ではない。ただこの2試合、疲労の色が濃いなとは感じた。その中でも上位に食らいついていくためには、チャナティップの働きが大きくなってくる。

 仙台戦でのトラップしてから素早い振りで放ったゴールは、一級品といえる。ただ彼の課題は、その前にあった絶好機で、シュートでなくパスを選択した場面に象徴される。彼のサッカー人生の中で最も重要だったのは、ボールを取られない事にあったと思う。プレーを見ていると分かるが、ボールの置き所が懐に近いから頭が下がってしまい、1ステップで打てず、パスを選びがちになる。優れたキープ力はもちろん大きな武器だが、シュートも打てる所にボールを置かないと、もう一段階上にはいけない。

 勇気は必要になるが、相手も触れそうな中間地点にボールを置くこと。相手が「取れる」と思って100%の力で奪いに来た時に自分が先に触れば、力は抜いていてもかわせる。置き所を工夫し、仙台戦のように早いタイミングで打つスタイルも身につけられれば、更に大きくなるために立ちはだかっている壁は、越えられる。(吉原宏太、1996~99年札幌FW)

サッカー

×