【甲府】本拠地6戦勝ちなし 上野監督初陣も、1点守りきれず

スポーツ報知
後半7分に先制点を決めた甲府・ジュニオールバホス(右)

◆明治安田生命J2リーグ第12節 甲府1―1山口(3日・山梨中銀スタジアム)

 ヴァンフォーレ甲府はホームで山口に1―1で引き分け、4月30日に就任した上野展裕新監督(52)の初陣を勝利で飾ることはできなかった。後半7分にFWジュニオールバホス(25)の2試合連続弾で先制したが、同43分に失点。ホームでは開幕から6戦未勝利で、J2に参入した1999年(5連敗)を抜きクラブワースト記録となった。ただ戦う姿勢は見せた甲府イレブンが、次戦のアウェー・熊本戦(6日・えがおスタ)こそ白星を奪いにいく。

 試合終了の瞬間、強い日差しが照りつけた中銀スタジアムは何とも言えない雰囲気だった。負けなかったが、勝ちきれなかった。複雑な思いがピッチを交差した。上野新監督は「選手は戦う姿勢を見せてくれた。同点になり悔しいが、その悔しさを次につなげたい」と振り返った。

 吉田達磨前監督(43)の最後の指揮となった先月28日の千葉戦(1△1)同様、直前で勝利が手からこぼれていった。先制したのは甲府だった。後半7分、カウンターからMF橋爪勇樹(27)が前方にパスを出し、ジュニオールバホスが反応。最後は切り返してゴール前右から左足を振り抜き、ネットを揺らした。ブラジル人助っ人の2戦連発弾で流れを引き込んだ。

 山口の逆襲をしのぎ今季ホーム戦初白星か―。そう思われた後半43分だ。右サイドFKから山口DF渡辺広大(31)に頭で決められ同点。これでセットプレー絡みは11失点中7失点。課題が大事なところで出てしまった。主将のDF山本英臣(37)は「セットプレーのマークは僕だった。責任を感じている」と肩を落とした。ホームでは開幕から6戦未勝利で、J2に参入した1999年の5戦を抜きクラブワーストとなった。

 ただ少し光は見えた。新指揮官が求めたのは、見ている人たちが納得するような戦う姿勢を見せること。MF新井涼平(27)が「結果が伴うことはなかったが、最後まで戦う姿勢は見せられたかなと思う」と振り返ったように、途中出場したFW堀米勇輝(25)がポストに衝突するのもいとわないプレーを見せた。

 しかし、欲しいのは何よりも結果だ。上野新監督は「甲府のスタッフ、選手はハードワークをする。その力をもっと引き出せるように、自分もハードワークしていきたい。そうすることで殻を破る、あともう少しのところを破れるように積み重ねていきたい」と誓った。次こそ新指揮官初勝利を狙う。

(三須 慶太)

 千葉戦に続く2戦連発で、今季リーグ戦5得点目となったジュニオールバホスは、「点を決めるために練習している。ただ、勝てなかったことが悔しい」と唇をかんだ。これでリーグ戦直近6戦で5発と好調をキープするチーム得点王の背番号29。熊本戦へ向け、「まずは勝つこと。勝てばモチベーションも上がる」と次戦での勝ち点3獲得を誓った。

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