【鹿島】ACL8強進出!「試合翌日に後悔してはいけない」ジーコ氏金言生かし鬼門突破

スポーツ報知
試合前に整列する鹿島の先発イレブン

◆アジア・チャンピオンズリーグ ▽決勝トーナメント1回戦第2戦 上海上港2―1鹿島=2戦合計4―3で鹿島の勝利=(16日・上海)

 【上海(中国)16日=岡島智哉】日本勢で唯一決勝トーナメント(T)に進出しホームでの第1戦を3―1で勝利した鹿島は、敵地で上海上港(中国)に1―2で敗れたが、2戦合計4―3として6度目の挑戦で初めて決勝T初戦を突破。10年ぶりの8強入りを果たした。

 前半7分に先制を許したが、同42分にMF土居聖真(25)が貴重なアウェーゴールを決めた。準々決勝は8月27~29日に第1戦、9月17~19日に第2戦が行われる。

 熱狂の渦と化した会場を黙らせる笛が鳴った。最前線でボールを追い回したFW鈴木はピッチに倒れ込んだ。元ブラジル代表FWフッキとのバトルを繰り返したDF安西も座り込んだまま動けない。GK権までもが「やっと終わったんだと実感していました」とあおむけにバタリと倒れた。力の全てを出し尽くした鹿島が鬼門を突破した。

 9日の第1戦を3―1で制したが、声が響きやすい形状の敵地には約2万人の大観衆が押し寄せ、地鳴りのような声援を響かせた。上海上港は先発1人あたり約320万元(約5440万円)の突破ボーナスを約束。さらに後半36分、DF昌子の側頭部に当たったボールがハンドの判定となり、疑惑のPKから失点した。過酷なアウェー戦となったが、第1戦の3得点と前半43分のFW土居の華麗なヒール弾を守りきった。

 常勝軍団の礎を築いた神様からの金言を力に変えた。クラブの前身・住友金属時代の91年から94年途中までプレーし、勝利の伝統を植え付けたジーコ氏が11日に練習場を訪れた。リーグ戦で苦戦する様子をブラジルでチェックしていたジーコ氏は、選手全員を前に言った。「試合翌日にあれをやっておけばよかった、もう少し頑張っていれば良かったと後悔してはいけない。全力を尽くせ。努力を続けろ」

 昌子は6歳上のMFレオシルバをどなりつけ、MF永木のミスで迎えた決定機は権がスーパーセーブでカバー。相手のパワープレーは鈴木がキッカーをしつこく追い回し、DF陣がこれでもかとはね返し続けた。クラブの象徴からの金言を最後までピッチで表現した。「選手の粘り強さと気持ちの強さで壁を乗り越えた。我々は最後の最後まで勝ち続けるという気持ちでいる。また次の試合に向けて準備したい」と大岩剛監督(45)。19冠の歴史を誇る鹿島が唯一手にしていないアジアのタイトルへ、大きな山を越えた。

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