藤枝東、OB長谷部からのメッセージに心整え11年ぶり13度目総体切符

スポーツ報知
延長後半10分、決勝ゴールを決め仲間に祝福される藤枝東・平尾拳(右)

◆高校総体サッカー静岡県大会▽男子決勝 藤枝東5(0―1、3―2、延長0―0、2―0)3清水桜が丘(3日・エコパスタジアム)

 男子決勝は藤枝東が清水桜が丘に延長戦で5―3と逆転勝ちし、11年ぶり13度目の全国大会(8月7日開幕・三重)出場を決めた。3―3で延長に突入し、同後半終了間際にMF平尾拳士朗(3年)らの連続ゴールで突き放した。女子決勝は藤枝順心が常葉大橘に1―0と競り勝ち、7連覇達成。全国出場がかかる東海総体(16、17日・愛知)に出場する。定時通信制の部は静岡中央が7年連続11度目の優勝を飾った。

 藤枝東が終了間際の連続弾で壮絶な撃ち合いにピリオドを打った。小林公平監督(33)がコーチだった07年、J1清水MF河井陽介(28)らを擁し優勝して以来の頂点。深緑のピッチで藤色軍団は歓喜の雄たけびを上げた。指揮官は「ロースコアを予想していたが、相手の圧力によく粘り、得点につなげた」と勝利をかみしめた。

 延長後半ロスタイム突入直前、平尾拳が運動量が落ちた相手の隙を突いた。ドリブルで2人を交わし左足一閃(いっせん)。延長後半前、ベンチからキーマンと言われ、「体力には自信がある。しっかり走り、GKの逆を突いて冷静に打てた」と3戦ぶりの得点で期待に応えると、直後にFW井上燎哉(3年)の4戦連発でダメを押した。

 前半は攻撃の形を作れず、先制を許すも、後半はサイド攻撃と縦に速い展開で応戦。5、6分に連続得点を挙げたMF坂本康汰(2年)は「1点目のショートコーナーは前日に練習したトリックプレーが決まった」と笑顔がはじけた。

 OBで日本代表のMF長谷部誠(34、フランクフルト)から「小林監督を男にしてやれ。自分もW杯で頑張る」とのメッセージが届き、試合前に監督から伝えられた。「失点しても焦らず、全員でプラスの声を掛け合った」とDF鈴木大河主将(3年)。長谷部効果も大きかった。

 01年、小林監督は1年先輩の長谷部と全国総体準優勝。前回は3回戦で流経大柏(千葉)に敗れた指揮官は「静岡代表は最近、結果を残せていない。攻撃の質を高めて上位を狙う」と炎天下の戦いで王国復権を目指す。(青島 正幸)

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