【札幌】天皇杯2年ぶり勝った!33歳ベテラン内村が大仕事「勝てて良かった」

スポーツ報知
後半28分、また抜きで都倉(右)へアシストする内村

◆天皇杯サッカー全日本選手権 ▽2回戦 札幌2―0MIOびわこ滋賀(6日・札幌厚別公園競技場)

 J1北海道コンサドーレ札幌が、苦しみながらも天皇杯で2年ぶりの白星を挙げた。5位と好調のリーグ戦同様のメンバーで臨んだJFLのMIOびわこ滋賀戦は、後半11分にFWジェイ(36)のゴールで先制するも、同27分に同点とされ、試合は振り出しに。だが後半28分に途中出場のFW内村圭宏(33)がドリブルでゴール前に切り込み、FW都倉賢(31)のゴールをアシスト。2―1で競り勝った。7月11日の3回戦でJ2福岡と対戦する。

 出場から3分で、内村が札幌を天皇杯2年ぶり勝利へと導く仕事を成し遂げた。後半27分に1―1に追い付かれた1分後。ドリブルで相手ゴール付近まで切り込み、DFとGKを自身の動きに集中させ、中央でフリーとなっていた都倉にパス。勝ち越し点のアシストを決めた。「まず縦に仕掛けようと。勝てて良かった」。笑顔で汗をぬぐった。

 狙い通りだった。「後半は相手も疲れがあってオープンな展開になっていた。いいボールが来れば仕掛けようと思っていた」。出番を待ちながら戦況を見る間、イメージを膨らませた。決勝点の直前に同点とされる嫌な流れも、勝利に向け、思いを貫いた。その通りに速い切り返しで敵陣に切れ込んだプレー。殊勲弾の都倉は「素晴らしい動きをしてくれた。僕は押し込むだけだった」と感謝した。

 内村は今季のリーグ戦出場は1試合のみ。ベンチ入りも3度だけだが、ブレはなかった。「練習から続けるしかない。もっともっとうまくなって、自分のレベルを上げたい」。プロ16年目も衰えぬ向上心で、自己を高めることに神経を注いできた。それだけに、1度の好結果に浮かれることはなかった。「もっと点を取れるチャンスはあったし、こだわってやっていかないと」。より貢献できる存在となるべく、さらなる進化を誓った。

 5位と好調のリーグ戦にも光明となる、FW陣最年長の活躍。「いつも暖かくなると体が動いてくるから。これを続けていけるよう、練習から取り組んでいきたい」。高い志を持つベテランが健在を証明してつかんだ勝利の価値は、格下相手でも大きい。(砂田 秀人)

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