【甲府】11年ぶり8強 小塚「いい時間帯に取れて良かった」

スポーツ報知
8強進出を決め、サポーターにあいさつする甲府イレブン

◆YBCルヴァン杯プレーオフステージ第2戦 浦和2―1甲府(9日・埼玉スタジアム2002)

 J2ヴァンフォーレ甲府(B組2位)が、2007年以来、11年ぶりの8強進出を決めた。J1浦和(C組1位)と敵地で対戦し1―2と敗れたが、2戦合計では3―2と上回った。浦和の元日本代表FW興梠慎三(31)に立て続けにゴールを奪われる苦しい展開だったが、MF小塚和季(23)の貴重なアウェーゴールで悪い流れを止めた。ノックアウトステージ準々決勝は9月5日と同9日(相手未定)に行われる。

 敵地での厳しい戦いを終えた甲府イレブンは、安どの表情で天を見上げた。敗れはしたものの2戦合計で3―2と昨季のアジア王者・浦和を上回り、クラブ11年ぶりの8強進出。上野展裕監督(52)は「前半はプレッシャーを受け、セカンドボールをことごとく拾われて苦しい試合になった」と振り返った。

 指揮官の言葉通り、立ち上がりから押し込まれた。J公式戦での敵地・浦和戦は過去3引き分け7敗と未勝利だっただけに、シビアな戦いが予想された。その中で浦和FW興梠の技あり2得点で、一気に2戦合計で同点に追いつかれた。

 8強進出へ暗雲がたれ込める中、悪い流れを断ち切ったのは小塚の右足だった。2失点目を喫したわずか3分後の前半27分だった。FW森晃太(20)がペナルティーエリアに侵入。相手守備陣に突破を阻まれたが、こぼれ球に反応した小塚が押し込んだ。

 1得点1アシストの第1戦に続く活躍の背番号19は「晃太がパスをくれると思ったんだけど…。味方のおこぼれに詰めることができた」と冗談を交え照れ笑い。それでも貴重な得点に「いい時間帯に取れて良かった」とうなずいた。上野監督も「防戦一方になっていた中で、アウェーゴールを取ることができたのは大きかった」と殊勲弾をたたえた。

 プレーオフステージ第1戦の前のミーティングで、上野監督は選手たちに「タイトルを取りに行こうや」とハッパをかけたという。「準々決勝に向け、いい準備をして臨みたい」と指揮官。イレブンにかけた言葉の実現に向け、一歩ずつ着実に近づいていく。(三須 慶太)

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