張本智和、故郷仙台で凱旋V 世界選手権団体戦代表に内定

スポーツ報知

◆卓球 世界選手権 男女日本代表選考会最終日 ▽男子決勝 張本智和3―1大島祐哉(24日、宮城・宮城野体育館)

 準決勝と決勝が行われ、男子は張本智和(14)=エリートアカデミー=、女子は伊藤美誠(17)=スターツ=が来年4月29日に開幕する世界選手権団体戦(スウェーデン)の代表に内定した。張本は決勝で大島祐哉(23)=木下グループ=、伊藤は早田ひな(17)=日本生命=をそれぞれ3―1で下した。張本は世界選手権男子シングルス史上最年少8強など、飛躍を遂げた2017年の最後を地元での優勝で飾った。

 張本が激動の1年を最高の形で締めくくった。4連続ポイントで優勝を決めると、14歳は体を大きくのけぞらせる“ハリバウアー”で喜びを爆発。「いつも勝った時はうれしいけど、今年最後の試合で思いは強かった。本当にうれしい」。昨年6月のジャパン・オープン荻村杯21歳以下男子で優勝した時以来の歓喜のポーズが飛び出すほど、格別の勝利だった。

 生まれ育った仙台で成長を示した。昨年発足した後援会が小学校卒業後、初の凱旋試合に合わせ、Tシャツやタオル、「東北仙台から世界の頂点を」と記した横断幕を特注。当初の約15人から80人にまで増えた会員や小学校の同級生、仙台ジュニアクラブの後輩ら100人の“応援団”の声援にも背中を押され、「ここまで来られたのはみなさんのおかげです」と感謝した。

 両親にも恩返しの優勝になった。これまで節目にプレゼントを贈ったことはなかったが、「初めて最高のクリスマスプレゼントを両親にあげられて、今までで一番気持ちいい」とコーチの父・宇さん(47)に抱きついた。父も「ホッとしました。私の想像以上に成長してます」と目を細めた。

 今年は世界選手権で史上最年少8強の快挙を成し遂げたが、選考会は準決勝で大島に敗れ、全日本選手権も4回戦敗退。強化本部推薦で初出場を決めたことに「何で張本なんだと思った人もいると思う」と悔しさも残った。その後もワールドツアーを史上最年少で制するなど着実に力をつけ、初めて自力で代表切符をつかんだ。「自分の力で取れて最高です。誰が相手でも向かっていく姿勢を見せたい」。胸を張って2度目の舞台に立つ。(林 直史)

 ◆卓球世界選手権代表への道 男女とも代表枠は5人で、選考会を制した張本と伊藤が決まった。今大会には出場しなかったが、男子の水谷隼(28)=木下グループ=、丹羽孝希(23)=スヴェンソン=、女子の石川佳純(24)=全農=、平野美宇(17)=エリートアカデミー=も世界ランクや国際大会の成績などの選考基準を満たしており、内定している。男女とも残り2人は来年1月の全日本選手権優勝者と、強化本部が推薦した選手から決める。

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