Bリーグ・レバンガ北海道の“レジェンド”折茂武彦、年男の誓い

スポーツ報知
新年の飛躍を誓うレバンガ北海道の年男・折茂

 Bリーグで現役最年長選手で、25シーズン目を戦うB1レバンガ北海道の“レジェンド”折茂武彦(47)が、新春に新たな「伝説作り」を宣言した。

 今年5月14日に48歳を迎える「いぬ年」生まれ。前回の年男は、2006年。14年間在籍したトヨタ自動車(現・A東京)で最後のシーズンを戦い、翌春のリーグ戦終了後に北海道移籍を決意した年でもあった。07年5月、北海道に誕生したプロチーム(当時・レラカムイ北海道)入団した。

 「前の年男(36歳)は、自分のバスケット人生でも大きな分岐点となった。まさか12年後も、北海道で現役を続けているとは、想像もつかなかった」

 プロ選手になる夢を実現するために渡った北の大地。 「最初は、現役を2シーズンは続けて、自分の経験をすべて伝えようと思っていた。しかし、北海道ファンの熱い思いに感銘を受け、この地にプロバスケットが根付くまで、やめられないという使命感が大きくなっていった」

 2011年には、レラカムイ運営会社の経営悪化でチーム消滅の危機にも陥った。その後、自ら新たな運営会社代表に就任し、社長兼選手で奮闘してきた。昨年はBリーグ理事にも就任し、現在“三刀流”でフル回転している。

 チームは今季、最激戦といわれる東地区で16勝12敗と大健闘。経営面でも、昨季は初めて単年度黒字を計上し、ホーム入場者数は昨季の平均2766人から今季は同3652人と大きく伸びた。

 「水野宏太ヘッドコーチが掲げる『ボールと人が常に動く』戦術が浸透してきた。昨季、確立したハードディフェンスに加え、今季は新外国人のトラソリーニらの加入で得点力も向上した。営業面も累積債務の解消を目指した全社一体の取り組みが実りつつある。北海道にプロチームが誕生し10年かけて、ようやく『現場もフロントも一体となりチームで戦うスタイル』が確立した。今年もそれを加速させていきたい」

 自身は昨季、リーグ日本人初の通算9000得点を達成した。今季も、3点シュート通算1000本もクリアし、ここまで全28試合に出場し、平均8・4得点と健在ぶりを示している。

 「この歳で体力的向上は無理でも、経験を生かした技術や駆け引きは負けないという自負はある。『相手のどんなマークがこようと、その裏をかけばいい』という気構えです。経験と引き出しはあるつもりだ」

 既に、2020年東京五輪シーズンまでの現役継続を表明している。現在、通算9593得点で「通算1万得点」まで、残り407点。今季中の達成には残り32試合で平均12・7得点以上が必要だ。

 「不可能な数字ではないと思う。自分の仕事は、スコアラーとしてシュートを打ち続けること。結果は後からついてくる。今年はチーム一丸で『プレーオフ以上』を実現、北の大地に“新たな歴史”を刻みたい」(構成・小林 聖孝)

 ◆折茂 武彦(おりも・たけひこ)1970年5月14日、埼玉・上尾市生まれ。47歳。埼玉栄高から日大に進み、93年~07年春までトヨタ自動車(現・A東京)でプレー。トヨタではリーグ優勝3回、96年から8季連続日本人得点王。07年全日本総合選手権優勝。93年に初の日本代表入り。98、06年世界選手権代表。07年5月にレラカムイ北海道(当時)移籍。現在、北海道バスケットボールクラブ代表兼選手。190センチ、76キロ。血液型A。家族は妻と長男。

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