帝京大、薄氷のV9…岩出監督「胃が痛くなるようなゲームだった」

2018年1月8日6時0分  スポーツ報知
  • 9連覇を達成し、喜びを爆発させる帝京大フィフティーン(カメラ・生澤 英里香)

 ◆ラグビー 全国大学選手権 ▽決勝 帝京大21―20明大(7日・秩父宮)

 帝京大が薄氷のV9を達成した。明大に21―20で競り勝ち最多連覇数を更新。3トライを奪われた前半は決勝で初めて7―17とリードを許したが、後半中盤での2連続トライとコンバージョンキックで逆転。19季ぶりに決勝へ進出した明大は1点及ばず、21季ぶりの王座奪回を逃した。大学日本一チームはこれまで日本選手権に出場していたが、今季から大学チームの枠がなくなり出場しない。

 帝京大が1点を守り切った。終了間際にPGを狙わず明大の象徴、スクラムを選択。「スクラムトライを狙うぞ」と円陣を組んだ。追加点こそ奪えなかったが、意地と意地のぶつかり合いを制した。3度の同点を除けば過去最少得点差でV9。9年連続の胴上げで宙を舞った岩出雅之監督(59)は「胃が痛くなるようなゲームだった。最後は学生を信じた」と額の汗をぬぐった。

 前半7分に明大のセンター梶村にインターセプトされ、約60メートル独走の先制トライを許すと、2分後にはBK1人がシンビンで10分間の一時退場。1人少ない14人の時間帯に1トライずつを取り合い、後半は決勝で初めて追う側に回った。

 2万489人の大観衆で埋まった会場の約7割が明大ファンだった。紫紺の小旗が多く舞ったスタンドからは「明治」コールが続いた。アウェー感の漂うグラウンドでフッカーの堀越主将はベンチを見ると「みんなの声、姿がエネルギーに変わった」。V8達成後の昨年2月に急死した同学年のチームメート、西宮将人さんの遺影があった。チームHPの部員紹介では西宮さんも「4年生」に進級した。NO8の吉田は「全員で戦い抜く。15人だけで戦ったんじゃない。僕らは僕らの仲間のために体を張りました」と西宮さんを思い、目頭を熱くした。

 常勝軍団の「文化」が確立してきた。「初優勝したころのギラギラ感がなく、安心してしまうと甘さが出るチームだった」と指揮官。そんな時は「燃えるスイッチ」をポンと押し、うながすだけで十分。今季与えたテーマは「楽しむ」。逆境の時ほど「楽しむ深さを味わう」という究極のお題だ。来季主将候補のウィング竹山は「『楽しむ』を継承して来年に挑みたい」。究極のV10へ歩みは止めない。(小河原 俊哉)

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