張本、ジュニア男子初V!水谷超えた14歳205日最年少記録

スポーツ報知
ジュニア男子決勝で、宇田幸矢をストレートで破り優勝した張本は、のけぞりながらガッツポーズ(カメラ・清水 武)

◆卓球 全日本選手権第4日 ▽ジュニア男子シングルス決勝 張本智和(エリートアカデミー)3―0宇田幸矢(エリートアカデミー)(18日・東京体育館) 

 ジュニア男子決勝などが行われ、張本智和(エリートアカデミー)が初優勝を飾った。14歳205日での優勝は、水谷隼の14歳221日を上回る史上最年少。初戦から6試合連続ストレート勝ちで、念願の全日本選手権初タイトルを手にした。

 張本の歓喜の雄たけびが東京体育館にこだました。相手の返球がネットに当たって外れる。勝利の余韻をかみしめるように一呼吸置き、「ドー!」と右手を突き上げた。小学5年で8強に入り、そこから3年。憧れの水谷の最年少記録も塗り替え、ジュニアで初の頂点に「いつか優勝できると思ってできてなくて、心に引っかかるものがあった。待ちに待った優勝でうれしい」と笑顔がはじけた。

 昨年は優勝候補と期待されながら、まさかの準々決勝敗退。ベンチで泣き崩れたが、この1年で世界選手権史上最年少8強など、シニアの大会でかけがえのない経験を積み、精神的に大きく成長した。決勝は所属のエリートアカデミーの先輩で、ダブルスも組む宇田幸矢(16)と対戦。手の内を知り尽くされた相手だったが、第2ゲームを1―7から大逆転するなど3―0で勝利。「昨年より確実に実力がついて、相手が良くても強引に点が取れるようになった」と、初戦から6戦連続ストレート勝ちと同世代を寄せつけなかった。

 今大会は4種目に出場した。主戦場をシニアに移している現状。過密日程となることを避けるためにジュニアを回避することも考えられたが、男子日本代表の倉嶋洋介監督(41)は「あえて『4種目出ろ』と言った。最初からぬるま湯の中では仕方ない。まだ中2。つらい戦いを経験して、強くなっていく」と語る。

 指揮官の親心は、14歳も感じ取っている。混合ダブルスは17日の4回戦で敗れたものの、この日はジュニアで3試合を戦い、「疲れたとは言ってられない」と男子ダブルス、シングルスともに4回戦に快勝。1日で5勝を挙げた。「油断せず残り2つも優勝したい。今の勢いなら、きっとできると思う」。念願の初タイトルから一気の3冠も夢ではない。(林 直史)

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