4強入り張本智和、“ハリバウアー”で「ドゥオオオオオオオ~ッ」水谷隼と場外バトル「絶対勝てる」

スポーツ報知
男子シングルス準々決勝で大島を破り、ガッツポーズで喜ぶ張本(カメラ・竜田 卓)

◆卓球 全日本選手権第6日(20日・東京体育館)

 シングルスの男子は4強が決まり、史上最年少優勝が懸かるジュニア制覇の張本智和(14)=エリートアカデミー=が、前人未到10度目Vの5連覇を狙う水谷隼(28)=木下グループ=に「絶対に勝てる」と大胆不敵な勝利宣言を突きつけた。対する絶対王者は、絶叫「チョレイ」を「耳栓で封印する」とした上で「立ちはだかりたい」と受けて立つ構え。最終日21日に行われる準決勝、決勝。ともに準決勝を突破すれば、決勝は火花散る激突となる。

 4強入りを決めると、張本は後頭部が床につきそうなぐらい、のけぞるド派手な“ハリバウアー”を爆発させた。両手を広げ、両ひざをついて「ドゥオオオオオオオ~ッ」と全身からアドレナリンを噴出だ。大島祐哉(23)=木下グループ=との対戦で、3ゲーム連取から1ゲームを落とした後の第5ゲーム。ジュースに持ち込まれ、流れが傾きかけたが強引にねじ伏せた。

 準決勝の相手は森薗政崇(22)=明大=だが、視線の先には、この日の男子ダブルス準決勝で1―3と完敗を喫した水谷しかいなかった。ジュニアを初制覇し、狙っていた男子単複と合わせての「3冠」を阻止された悔しさ。まだ対戦が確定してもいないのに「水谷さんに決勝で最高のリベンジをしたい」。さらに「絶対に勝てる」と声のトーンを上げて自信満々に言い放った。

 史上最年少で8強入りした昨年6月の世界選手権(ドイツ・デュッセルドルフ)では、2回戦で4―1と撃破し大金星を奪った。対戦すれば、それ以来2度目になる。父の宇コーチは「(今大会は)本人のやる気がすごい」と認めた上で「まずは準決勝。1つ勝たないと。水谷くんに(世界選手権で)勝って自信はついているけれど、向こうも対策をしてくるはず。準備が大切になる。最後まで何が起こるか分からないから」といさめた。

 もちろん、王者も黙ってはいなかった。今大会の張本の快進撃を「120%の力を出している」と分析。年少記録を更新しまくる怪物の著しい成長を「自分も120%の力を出さないと多分負ける」と警戒しつつ、「前に立ちはだかる」と世界選手権の借りは決勝の舞台で返す構えだ。

 「大日本プロレスが好き」と公言するだけあって、プロレスのごとき場外バトルを大歓迎。威圧感たっぷりに挑発する張本の絶叫「チョレイ」対策に、「決勝で対戦することになったら耳栓しますよ」とニヤリ。前人未到の10度目のVまで、あと2勝。雄たけびも“最高のリベンジ”も封じ込めた先に、表彰台のど真ん中を見ていた。(小河原 俊哉)

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