水谷隼、新王者に脱帽「張本が出て来る前にたくさん優勝しておいてよかった」

スポーツ報知
試合後、険しい表情を見せる水谷(カメラ・堺 恒志)

◆卓球 全日本選手権最終日(21日・東京体育館) ▽男子シングルス決勝 張本智和(エリートアカデミー)4―2水谷隼(木下グループ)

 5連覇&通算10度目の優勝を目指した絶対王者・水谷隼(28)=木下グループ=の野望は“チョレイ旋風”の前に断たれた。自身が持つ17歳7か月の最年少V記録(06年度)を張本智和(14)=エリートアカデミー=に塗り替えられ準優勝。「張本が出て来る前に、自分がたくさん優勝しておいてよかった。それぐらい強い。何回やっても厳しい」。リオ五輪シングルス銅メダリストは完敗を認めるしかなかった。

 「ずっと前に立ちはだかりたい」と張本への迎撃を宣言して臨んだ決勝。年明けから「この1年間で一番練習している」と周囲に語るほどの手応えも得て、12年連続のファイナリストになった。しかし「最後まで得点パターンを見いだせなかった」。緩い球で揺さぶりをかけ、ラケットを上から振り下ろして打つ技を披露。もちろん耳栓はせずに対抗したが、第6ゲームで力尽きた。

 「今までの全日本の試合の中で、今日が一番しんどかった」と吐露した28歳。「全日本がスタートと思っている。これをバネに、東京五輪まで頑張りたい」と雪辱を誓った。(太田 倫)

 ◆水谷VS張本の“第1R” 昨年6月1日、世界選手権(ドイツ・デュッセルドルフ)の男子シングルス2回戦で、史上最年少日本代表の当時13歳、世界ランク69位の張本が、6位の水谷と公式戦初対決。4―1(11―7、11―6、14―12、7―11、11―8)で番狂わせを演じた。得意のバックハンドで強打を打ち込み、ラリーでも圧倒。水谷を「最初から最後まで勝機が見えなかった」と脱帽させた。

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